明日なき街角 の商品レビュー
股旅物にも通じるよう…
股旅物にも通じるような義理人情だけでは語れない若者の苦悩を描いた作品。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最初の30ページからとてつもなく面白い。空気感が重いがそこが素晴らしく、伊坂幸太郎の「殺し屋シリーズ」の元になったんじゃないんかと思わせる様な小説だった。凄みがありながら読みやすく、エグさもある。昭和の悪く渋いハードボイルドとはこういう危険な男なのだろう。 悪い仕事はするが、義理も果たす、女は大切にする。こんな生き方は映画か小説でしか今は許されないが、後ろめたい生き方を強制されるなら、これくらいこだわりを持って、グループに属さず生きるのは良いかもしれない。芯やポリシーを曲げない事がこそがハードボイルド。自分はそう解釈した。それにしても傑作だった。
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