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私生活 の商品レビュー

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2024/03/03

1歳の息子が図書館で持ってきたので、事前情報なしに読み始めたら、短編集で息子の昼寝の合間に区切りよく読むことができた。 それぞれの話は決して長くはないのに、登場人物の背景やプロフィールがさりげなく把握できるようになっているのがすごい。そうした上で語られるのは、人間の愚かさや、年...

1歳の息子が図書館で持ってきたので、事前情報なしに読み始めたら、短編集で息子の昼寝の合間に区切りよく読むことができた。 それぞれの話は決して長くはないのに、登場人物の背景やプロフィールがさりげなく把握できるようになっているのがすごい。そうした上で語られるのは、人間の愚かさや、年を取っていくことの儚さ、衰えへの不安、夫婦関係の何とも言えない心の機微など、現代にも通ずる普遍的なテーマばかり。 話のオチとなる部分は本当に終わりに来るので、それぞれ読み終わるたびに絶妙な読後感を得られた。期待していなかったが、わりとおもしろかった。

Posted byブクログ

2019/01/07

表紙の通りの純文学短編集。 道端で酔っ払って、ホステス風の女性に絡んだ挙げ句、罵られて突き放されていたのは、3件となりに住む男性だった。普段は物静かな紳士が?と思ったが、電車に乗って家に向かう中、彼は普段の紳士に戻っていく。 現代が舞台の純文学の短編集なので、普段の生活の中に...

表紙の通りの純文学短編集。 道端で酔っ払って、ホステス風の女性に絡んだ挙げ句、罵られて突き放されていたのは、3件となりに住む男性だった。普段は物静かな紳士が?と思ったが、電車に乗って家に向かう中、彼は普段の紳士に戻っていく。 現代が舞台の純文学の短編集なので、普段の生活の中にふと生じた事象をきっかけに何かを書いていくというところだが、各短編自体が短すぎるのもあり、あれ?といううちに終わってしまう作品が多い。 一方で、純文学に多い、主人公の思考をこねくり回したり、余計な装飾表現で文章をこねくり回したりということはほとんど無く、むしろ無駄を一切合切削ったというような朴訥とした文章には好感が持てる。 ただなあ、それぞれにもう一つを望んでしまうんだよね。「釣り場」でのようなもの。個々の話や行動は地味であっても、最後に怖いとかほんわかするとか、そういうなにか残るものは少なかったのだな。

Posted byブクログ