二つの祖国(中) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
中巻。 太平洋戦争終結。 運命の悪戯で二つの祖国に別れて、敵として戦場で相見える兄弟。。。 弟を想う気持ちに絶望的な壁が立ち塞がり、哀しくも必然的にすれ違っていく二人。。。 やるせない。 舞台が変わり東京裁判の推移に頁の大半が割かれ始めると、一挙に読む速度が落ちてきた(苦笑)。 面白いけれども日本史不選択だった自分には少々難解。後半は、娯楽としてより勉強として読んだ感じ。 ★3つ、7ポイント。 2017.04.14.図。 ※賢治と梛子の相愛は・・・。 基本的に不倫愛の病者に正義は無いと考えている身だが、あまりにも身勝手なエミーの振る舞いから、珍しくこの恋を比較的好意的に受け止めている(苦笑)。 地下にいたとはいえ爆心間近にいた梛子にはきっと原爆症の発症が待っているのだろうし、賢治が最後に自殺するということだけは何かの拍子に目にしてしまっているので、続巻を読むのが辛そうだ。
Posted by
天羽賢治と忠の関係修復はならず、梛子とひかれあい関係が深くなる。そこにエミーが2人の子供を連れて来日するという。これからどう展開するのか?
Posted by
ブログに記載。https://mietan.wordpress.com/2015/06/30/%E5%B1%B1%E5%B4%8E%E8%B1%8A%E5%AD%90%E8%91%97%E3%80%8C%E4%BA%8C%E3%81%A4%E3%81%AE%E7%A5%96%E5...
ブログに記載。https://mietan.wordpress.com/2015/06/30/%E5%B1%B1%E5%B4%8E%E8%B1%8A%E5%AD%90%E8%91%97%E3%80%8C%E4%BA%8C%E3%81%A4%E3%81%AE%E7%A5%96%E5%9B%BD%E3%80%8D%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%82%93%E3%81%A7/
Posted by
重い。 二つの祖国に挟まれる葛藤。 二人の女性に挟まれる葛藤。 大変です。 通訳として、日米戦争に関わる日系二世。 こんな人もいたんだなぁ。
Posted by
大長編過ぎて、非常に読むのに時間がかかった、、、 中巻は東京裁判の序盤まで。 気になったのは、ポツダム宣言は無条件降伏ではないんだけど?と本筋とは違うところだけど気になった。
Posted by
鬼頭軍曹、天羽忠、ブレイクにー弁護人、などが登場します。 ブレイクニー弁護人;「・・・アメリカ人弁護人として・・・!」 日本人の中には正々堂々とした人、卑怯な人、狂人と化した人がいたでしょう。アメリカ人も同様。正義に忠実な人、怒りに駆られて公正さを失った人もいたでしょう。 ...
鬼頭軍曹、天羽忠、ブレイクにー弁護人、などが登場します。 ブレイクニー弁護人;「・・・アメリカ人弁護人として・・・!」 日本人の中には正々堂々とした人、卑怯な人、狂人と化した人がいたでしょう。アメリカ人も同様。正義に忠実な人、怒りに駆られて公正さを失った人もいたでしょう。 いろんな人がいるんだと思います。 そんな中で万国共通の価値観、それを身に付け、発揮できるだけの強靭な精神力。それも素質なのかなと思わせるのは、天羽乙七です。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
米軍に志願した末弟はヨーロッパ戦線で戦死を遂げる。 日本に残り、日本軍に志願した次弟はフィリピンでの玉砕戦の 真っ只中にあった。 そして語学力を買われて 語学兵として南太平洋戦線に従軍する主人公。 過酷な運命が兄弟を、家族を残酷に引き裂いていく。 そして原爆の投下。終戦。 あまりにも惨く、不可解な戦争は終わったが、 それはまた新たな犠牲者を要求していたのだった。 ...正直、気が重くなる内容の小説であるが どんどん引き込まれていく。 重いテーマをそのままに深く掘り下げていく作者の姿勢が伺える。
Posted by
これまで「大地の子」、「不毛地帯」等の戦争三部作以外にも「白い巨塔」や「沈まぬ太陽」等、山崎豊子の小説を読んできたが、何か心に残る一節や感動が残ることは少ない。 山崎豊子の小説は、登場人物に感情移入する類の本ではなく、氏の緻密な取材・分析に基づく、氏が構築した過去の事実を知る...
これまで「大地の子」、「不毛地帯」等の戦争三部作以外にも「白い巨塔」や「沈まぬ太陽」等、山崎豊子の小説を読んできたが、何か心に残る一節や感動が残ることは少ない。 山崎豊子の小説は、登場人物に感情移入する類の本ではなく、氏の緻密な取材・分析に基づく、氏が構築した過去の事実を知るための本だと思っている。 「二つの祖国」の主人公には正直共感できない部分の方が圧倒的に大きいが、この小説の肝は戦争を直接体験したことのない私達現代に生きる人間に、太平洋戦争時の日系アメリカ人の置かれた状況、戦争の凄まじさ、東京裁判の理不尽さ等を一端でも伝えることにあると思う。 小説としてはまるで面白さを感じないが、太平洋戦争を学ぶためには必読の一冊だと思う。
Posted by
ロサンゼルスの邦字新聞『加州新報』の記者天羽賢治、ケーン。 彼とその家族の運命を通し、真珠湾攻撃、ヒロシマ、東京裁判と 太平洋戦争の荒波の中で身も心も切り裂かれながらも、 愛と祖国を求め続けた日系人の悲劇を描いた感動巨編。 山崎豊子を読むのは沈まぬ太陽以来2作目。 例によって、...
ロサンゼルスの邦字新聞『加州新報』の記者天羽賢治、ケーン。 彼とその家族の運命を通し、真珠湾攻撃、ヒロシマ、東京裁判と 太平洋戦争の荒波の中で身も心も切り裂かれながらも、 愛と祖国を求め続けた日系人の悲劇を描いた感動巨編。 山崎豊子を読むのは沈まぬ太陽以来2作目。 例によって、本屋で平積みになっていたので、 何気なく買っただけでしたが、またしても 山崎豊子の世界に引き込まれました。 父祖の国日本に対する誇り、そしてアメリカで生まれた ものとして、自由の国アメリカに対する誇り。 二つの祖国に対する誇りの中で葛藤していく賢治。 そして、正義を貫けば貫くほど回りには理解されない このジレンマ。 先の戦争の中で、多くの人々が苦しみを味わいましたが、 彼らほど数奇な運命をたどった人もいないでしょう。 今まであまり詳しく知ることのなかった、フィリピンでの 激戦の様子や東京裁判のことについても、彼女ならではの 記述で詳細に知ることが出来ました。 日経新聞で東京裁判の検証が特集記事になっていましたが、 こっちのほうがその裏の人々の心情まで描かれていて、 その場の雰囲気を感じることが出来ます。 ちょうどこの本を読み終えたとき、靖国神社の すぐ近くで結婚式でした。翌日、なぜだか靖国参拝 したいという気持ちになりました。 それは二つの祖国の間に挟まれながらその人生を 送った賢治の忠魂の気持ちなのか、激戦の中で 日本の勝利のために命を捧げて逝った日本兵のことを 思ってなのか、はたまた、勝者の裁きによって、 死刑となったA級戦犯のことを思ってなのかは 自分でもよく分かっていません。 ただ一つ確かなのは、人々をこうやって引き裂いてしまった 戦争を繰り返してはいけないんだというその祈りを 捧げたい。そんな気持ちが芽生えたということだと思います。 今また戦争歴史観が話題となっていますが、 結果的には、アジア諸国に対して日本が侵略行為と 取られる行為を行ったというのは覆しようのない事実です。 しかしながら、その時々を生きた人たちにとって、 自分の立場でそれぞれが正義だと信じる路を歩んだんだと 思っています。 国家のレベルと個人のレベルでは分けて論じるべきかと。 http://teddy.blog.so-net.ne.jp/2008-11-02
Posted by
矢野提供本。 私が好きな本の ベスト3に入る本です! 重く暗いテーマですが、人間の強さともろさ、希望と絶望・・そんな相反するものが、常に隣あわせにあります。 天羽賢治の生き様は、なぜこんなにもせつなく、心に響くのでしょう。。。
Posted by