家族解散 の商品レビュー
序盤は軽快なテンポで読み進めていけましたが、終盤になるとちょっと読んでいて重い感じがしました。 40年ほど前の作品ながら、文体などは明らかに糸井さんのものとして完成しているのですが、小説という形で一つの結末に向けて収斂させるということについて、糸井さんご自身がそこまで乗っていな...
序盤は軽快なテンポで読み進めていけましたが、終盤になるとちょっと読んでいて重い感じがしました。 40年ほど前の作品ながら、文体などは明らかに糸井さんのものとして完成しているのですが、小説という形で一つの結末に向けて収斂させるということについて、糸井さんご自身がそこまで乗っていないような感じを受けました。(あくまで個人的な印象です) 現在も続く「小さいことばシリーズ」などは逆に一つ一つの言葉がどれも活き活きとしているだけに、同じ書き手でも結構印象が違うなと思いました。
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「家族」について再考したくて読んでみた。昭和だなという古くさい部分もある。でも、家族の中でさえ、見えない部分ではいろいろある・・・はたして自分の家族はどうだろう?と、登場人物の文彦氏のように改めて考えるいい機会になった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
30年以上前の糸井重里さんの著作。ワケの分からんまま最後まで行ってしまいましたが、どうやらこの作品はその「ワケの分からなさ」が肝のようなので、明快なオチを期待せずに読み進めるのが正解なのかもしれません。 描かれている家庭は、30年前の「そこそこ裕福な家庭像」です。その家族の構成メンバー、それぞれがそれぞれなりのサイズ感と重要度のある秘密や悩みを抱えていて、それが少しずつ紹介されていきます。かといってそれらが解決されることもなく、明快な答えが誰かから提示されることもなく。文章の端々に伺える、言葉遊びのような表現はさすがに糸井さんだな、という感じですが、「だから何なんだ」というツッコミを入れたくもなります。 思えば糸井さんは『MOTHER』でも独特の世界観を前面に出してます。自分が面白いと思えたものを作品として作り上げ、それを「こんなんできたけど、どう?」と見せられているような感覚です。その感覚が共有できる方なら、きっと楽しめる作品でしょう。
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糸井重里の小説。 崩壊でも建て直しでもなくて「解散」。 乾いてんだか繋がってんだかわかんないような淡白さが心地よかった。
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