黒いドレスの女 の商品レビュー
わたしの店。女は、羽…
わたしの店。女は、羽が舞うように、ふわりとスツールに腰掛けた。カウンターに両肘を着き、組んだ手にあごを載せて、「マルガリータ。グラスはちゃんとスノースタイルにしてね」と、粋な注文である。よく光る黒い眸、長い髪、黒いドレス。真珠を一粒だけあしらったペンダント。「一杯いかが?」女が、...
わたしの店。女は、羽が舞うように、ふわりとスツールに腰掛けた。カウンターに両肘を着き、組んだ手にあごを載せて、「マルガリータ。グラスはちゃんとスノースタイルにしてね」と、粋な注文である。よく光る黒い眸、長い髪、黒いドレス。真珠を一粒だけあしらったペンダント。「一杯いかが?」女が、唄うような口調で言った。これが、物語の始まりである。追われる女。追う男たち。危険な匂いと暴力の中へ巻き込まれていくダストホールのマスター田村。よみがえって来る過去。「何故追われている」「あたし、何か知っているらしいの」「らしい?」
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
やっぱり北方謙三は面白い。とても読みやすい。話は少しごちゃっとしたところは正直あったが、男なら一度は憧れる男を描くのがうますぎる。 漢でもない、普通の男。北方謙三にとってはこれな普通なのだろう。オチも予想外でとても面白かった。 何気なく生きていく中でも、自分を通すと言うことはやっぱりどの世界でも難しい。自由な世界でも、制約はある。その制約も無視して、全てを投げ出す覚悟で生きることが男にはたまに必要なのだろう。絶対女性には理解してもらえないが。意外と高校生あたりが小説の面白さに気づいてもらうキッカケの一冊にいいかもしれない。、
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ハードボイルド。 なんでもよかった。自分がちゃんとした男だと思いこみたいんだ。試したいのさ。おまえひとり護れないようで、男だなんだと言ってられんのでね。だから、これからも護る。俺は俺のために、お前を護るんだ。 しびれるねー
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