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プラトン全集(3) の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2024/01/29
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今回は前ほど難解でなかったので助かった。「テアイテトス」の翌日という設定で、「ソピステス」ではソフィストについて、「ポリティコス」では政治家について、それぞれ何であるのかを「分割法」なる独特の方法を基礎に検討を進める。本来はこれに哲学者を加えた三部作になる構想があったらしいが…。 「ソピステス」ではソフィストの定義を考える過程で「あらぬもの」があるとは可能なのかどうか、「あるもの」や「あらぬもの」のイデア的な存在論などが議論される。解説で「パルメニデス」のイデア論反駁との関連を指摘されていて、それがまさによく分からないところだったのでありがたかった。 「ポリティコス」はおなじみのミュートスあり、「国家」の縮小バージョンのような内容もあり、実際の不完全な国家における必要悪としての法律についての話もあり、けっこう盛りだくさん。「国家」のように政治家(王)はソフィストではなく哲人政治であるべきだと言いたいのが透けて見えるのだが、そこまで断定しないのは三部作で哲学者を後に論じる都合上だったのだろうか。しかしやはり政治の理想を語るプラトンは生き生きしていて、政治家を志していた未練が感じられる。三回目のシラクサ島行きの前後のどこで書かれたかははっきりしないらしいけど、行く前の希望を持った状態で書いたのか、後の夢破れて改めて理想と現実を語る状態で書いたのか気になるところ。

Posted byブクログ

2015/12/15

分割していって、真理探究するっていう手法も面白いが、 政治家に大事なことは、《大胆さ》と《慎重さ》のふたつだと、 プラトンが言ったことは面白い。 これを読んでのことかはわからないが、マキャヴェリが『君主論』で同じことを書いている。君主に必要なのは、大胆でありながら思慮深いことだ、...

分割していって、真理探究するっていう手法も面白いが、 政治家に大事なことは、《大胆さ》と《慎重さ》のふたつだと、 プラトンが言ったことは面白い。 これを読んでのことかはわからないが、マキャヴェリが『君主論』で同じことを書いている。君主に必要なのは、大胆でありながら思慮深いことだ、と。

Posted byブクログ

2012/04/14

高田馬場の古本屋にて2000円で購入。読了日は判らないので適当に。真の知恵と真の政治家を巡る対話篇二篇。『テアイテトス』や『パルメニデス』での成果に気を良くしたのか、ここでもエレアからの客人の論法は冴え渡り、最早師ソクラテスの口寄せは不要とばかりに独自のディアレクティケーを展開す...

高田馬場の古本屋にて2000円で購入。読了日は判らないので適当に。真の知恵と真の政治家を巡る対話篇二篇。『テアイテトス』や『パルメニデス』での成果に気を良くしたのか、ここでもエレアからの客人の論法は冴え渡り、最早師ソクラテスの口寄せは不要とばかりに独自のディアレクティケーを展開する。

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