軽井沢ミステリー傑作選 の商品レビュー
1986(昭和61)年発行、河出書房新社の河出文庫。8編。栗本薫『軽井沢心中』栗本薫の現代風俗ものの中では抵抗が少ない作品。最後の心中として死のうと考え実行するのと、苦しくなってしまう部分がいい。しかし、その前の部分は丁寧すぎるほど丁寧な記述。警察は不審死として少しは捜査するだろ...
1986(昭和61)年発行、河出書房新社の河出文庫。8編。栗本薫『軽井沢心中』栗本薫の現代風俗ものの中では抵抗が少ない作品。最後の心中として死のうと考え実行するのと、苦しくなってしまう部分がいい。しかし、その前の部分は丁寧すぎるほど丁寧な記述。警察は不審死として少しは捜査するだろうが、宿の主人には心中として事情を聞いているんだろうな。内田康夫『シゴキは人のためならず』現在のAIでも到達していないコンピュータ。人間の心理までついた完璧な捜査。将棋AIでも人間の考えを加味したものはまだないというのに。 掲載作:『異説・軽井沢心中』土屋隆夫、『天狗』大坪砂男、『白い盲点』鮎川哲也、『嬬恋木乃伊』戸川昌子、『色慾の迷彩』梶竜雄、『シゴキは人のためならず』内田康夫、『冬の保安官』大沢在昌、『軽井沢心中』栗本薫、解説:「解説」新保博久、まえがき:「信州とミステリー」内田康夫、
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土屋孝夫、大坪砂男、鮎川哲也、戸川昌子、梶龍雄、内田康夫、大沢在昌、栗本薫の各人の短編を収録した本です。「軽井沢ミステリー」なのですべて軽井沢に関連する話しです。 どの話しもそれなりに面白いですが、やはり異彩を放っているのは栗本薫の「軽井沢心中」でしょう。軽井沢で起こった、一見無...
土屋孝夫、大坪砂男、鮎川哲也、戸川昌子、梶龍雄、内田康夫、大沢在昌、栗本薫の各人の短編を収録した本です。「軽井沢ミステリー」なのですべて軽井沢に関連する話しです。 どの話しもそれなりに面白いですが、やはり異彩を放っているのは栗本薫の「軽井沢心中」でしょう。軽井沢で起こった、一見無関係と思われる男女の心中事件の真相が語られる話ですが、何たって、ほとんど登場人物の心の声で構成いされているという、珍しい話しです。結末へ進んでいく過程は、笑っちゃダメですが、思わず笑ってしまうような展開です。 ちなみにこの「軽井沢心中」は、1981 年刊の「天国への階段」に収録されている話しで、一度読んだ話でした。
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