物質文明・経済・資本主義 15-18世紀(Ⅱ-1) の商品レビュー
物質文明・経済・資本主義の二巻目に当たる。一巻目『日常性の構造』では消費に着目し、人々の日常生活を丹念に描き出した。 本巻では、市場に着目して、流通や交換の過程、そして都市がどのように発展してきたかを多くの史料を援用しながら明らかにしている。 資本主義形成期に着目したアナール...
物質文明・経済・資本主義の二巻目に当たる。一巻目『日常性の構造』では消費に着目し、人々の日常生活を丹念に描き出した。 本巻では、市場に着目して、流通や交換の過程、そして都市がどのように発展してきたかを多くの史料を援用しながら明らかにしている。 資本主義形成期に着目したアナール派歴史学の著作として、もっとも高い位置を占めている一冊であると断言できる。
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第一部の日常性の構築ではヨーロッパを中心にアジア諸国がどのような生活習慣がありどのような食物事情や生産状況だったのかを説いたが本書では生産されたものが如何に流通し交換されてきたのかを説いた。 まずは市の発達に視点を置きヨーロッパ、アジア、イスラム諸国の市が如何なる慣習や制度に...
第一部の日常性の構築ではヨーロッパを中心にアジア諸国がどのような生活習慣がありどのような食物事情や生産状況だったのかを説いたが本書では生産されたものが如何に流通し交換されてきたのかを説いた。 まずは市の発達に視点を置きヨーロッパ、アジア、イスラム諸国の市が如何なる慣習や制度によって成り立ち、資本を蓄えたのかを論評する。 やがて銀行制度を初めとした金融制度が一般的に普及し始めたことから、金融制度の歴史を紐解き、現在の資本経済の発端となる東インド会社を初めとする貿易の流通とオランダアムステルダムが発端となる近代資本の形成を論証する。 資本主義経済の成り立ちを表したものでは最高の一書であり、次の世界時間の観点を楽しみとさせる。
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