良寛を歩く の商品レビュー
(2016.02.24読了)(2016.02.14借入) 「良寛」水上勉著、中公文庫、を読んだけど日本語力不足でよくわからなかったので、こちらの方がわかりやすいかなと、借りてきました。 この本は、NHKで放映した「良寛を歩く」という番組がもとになっているそうです。ただ、番組でしゃ...
(2016.02.24読了)(2016.02.14借入) 「良寛」水上勉著、中公文庫、を読んだけど日本語力不足でよくわからなかったので、こちらの方がわかりやすいかなと、借りてきました。 この本は、NHKで放映した「良寛を歩く」という番組がもとになっているそうです。ただ、番組でしゃべったことを文章にしただけでは、納得のゆくものができなかったので、訪れたところを思い出しながら、書き直したとのことです。 章ごとに写真が挟み込んであるので、息抜きになります。良寛さんの暮らした所や歩いたところ、見たであろう風景などを具体的に見ることにもなります。 良寛さんのゆかりの地を自分でも訪れてみたい方には、参考になると思います。 冒頭の木崎に関しては、良寛さんが住んだり訪れたりした地ではありません。良寛さんの暮らした寺泊周辺の地域から買われてきた娘たちの墓が、群馬県の木崎にたくさんあるということで、訪ねたということです。良寛さんの生きた時代の寺泊周辺の生活がどのようなものであったのかを想像する手掛かりになるとのことです。 「良寛」水上勉著、よりも読みやすくわかりやすかった、と思います。 良寛さんのゆかりを訪ねて、そこでつくられた作品を紹介しています。作品の解説も入っています。日本語力が低くても理解できます。 所どころで、「良寛」水上勉著、で述べたので、そちらを参照してください、と記してありますので、気になる方は、あわせて読むのもいいと思います。 【目次】 一 哀しき娘たち―木崎 二 石が語るもの―木崎 三 娘らの里へ―分水町 四 名主の息子―出雲崎 五 一本の杖―玉島 六 父以南の入水―京都 七 越後に還る―郷本 八 山上の庵―五合庵 九 杉木立の小舎―乙子神社 十 詩人たちの里―野積 十一 墨書で乞食す―分水町 十二 遷化の地―和島村 十三 一枚の紅葉―隆泉寺 あとがき 地図 ●娘を売る(44頁) 良寛和尚の生涯の足もとには、娘を売る村があり、その村々は喰うや喰えずの、どん底を這いまわっていた、とわかる。 良寛さまは、たくさんの詩歌をのこされたけれど、娘を売らぬと喰ってゆけぬ家のことをよまれた歌や詩はないのだった。 (ごく当たり前の日常で、特に述べるほどのことではなかったのでは。) ●禅宗(99頁) 禅宗は、只管打座といっても、すわっているばかりが修業ではなかった。天気の日は外へ出て動いたのである。雨の日は座禅、晴天の日は庭仕事、畠仕事である。「一日成さざれば一日喰わず」というのが唐の百丈清規の根幹であった。 ●仙桂和尚(106頁) 仙桂和尚というのは、良寛より年上で、国仙の弟子の中では風変わりで、経もよまず、語録もよまず、座禅もせず、ひたすら畠へ出て野菜作りに精だしていたらしい。 ●タバコ(195頁) 子供とあそんだ良寛さまは、かくれんぼのときに鐘楼を好んだ。なんでも鐘楼には茅や藁がつんであったという。良寛さまはタバコが好きで適当なかくれ場所へおちつくと、一服つけた。煙が出ておれば、鬼に見つかってしまうので、まぬけた話だけれど、 ●歩く(237頁) 歩くということは、考えることだという ☆関連図書(既読) 「良寛『詩歌集』」中野東禅著、NHK出版、2015.12.01 「良寛 旅と人生」良寛著・松本市壽編、角川ソフィア文庫、2009.04.25 「風の良寛」中野孝次著、文春文庫、2004.01.10 「良寛」水上勉著、中公文庫、1986.09.10 「くさらなかった舌-日本霊異記-」水上勉著、平凡社、1977.12.05 (2016年2月27日・記) (「BOOK」データベースより)amazon 本当の和尚が見えてきた。詩作三昧にふけり、安穏と暮らしたかに見える良寛だが、実は腐敗した宗教に批判の眼を向け、越後蒲原平野の苦惨の現実をじっくりと見つめていた。群馬県木崎、新潟県蒲原郡、岡山県玉島を徹底取材!
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