音楽(2) の商品レビュー
『朝日新聞』に連載された「音楽展望」および「音楽会批評」を収録しています。 日本人が西洋の音楽、とりわけクラシックを受容し、あるいは演奏することは可能なのかという、くり返し問われつづけてきた問いが、本書のなかでも提出されています。著者は、「日本人演奏家は腕がたつからはじめのうち...
『朝日新聞』に連載された「音楽展望」および「音楽会批評」を収録しています。 日本人が西洋の音楽、とりわけクラシックを受容し、あるいは演奏することは可能なのかという、くり返し問われつづけてきた問いが、本書のなかでも提出されています。著者は、「日本人演奏家は腕がたつからはじめのうちは合奏者としてよい成績をおさめるけれども、あるところまでゆくと限界があり、とまってしまい、かえってみんなの邪魔になる」という評言を耳にしたと述べています。 ここに示されているのは、近代以降の日本が、西洋という異文化と出会いそれを咀嚼するしかたについて、ようやく立ち止まって考えなおす局面に逢着したという、他の分野でも並行して見られた問題です。著者はこの問いに対して即効的な処方箋をあたえることはおこなっていませんが、たとえば西洋の音楽を明快な日本語で批評する著者の試みが、こうした問題の解決するためのひとつの方法となりうるのではないかと思いながら、本書の議論を読みました。
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雜誌連載の先生の音楽を中心とした論考集。そうとう昔の記事、40年くらいまえか?しかし、当時の様子が日本と、世界に関して少し見えるのがおもしろい。独がまだ東西だったり、チェコやハンガリーが動乱直後だったりと、リアルな世界史にもなっている。3巻まで出ているらしいので続けて読みたい(...
雜誌連載の先生の音楽を中心とした論考集。そうとう昔の記事、40年くらいまえか?しかし、当時の様子が日本と、世界に関して少し見えるのがおもしろい。独がまだ東西だったり、チェコやハンガリーが動乱直後だったりと、リアルな世界史にもなっている。3巻まで出ているらしいので続けて読みたい(中々古本屋にも、図書館にも見つけられず・・・)
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(1996.04.26読了)(1986.03.17購入) 吉田さんが朝日新聞に掲載した「音楽展望」と「音楽評」をまとめたものです。 1974年から1977年までの分が収録されています。
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