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有田式地理教科書 授業が10倍楽しくなるヒント集 の商品レビュー

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2019/11/26

「歴史教科書」に続く「地理教科書」である。まえがきにある「(社会科の授業が、内容がなく面白くないのは)勉強不足」というところの「お手伝い」という意味もあって書かれた。しかし、これを「お手伝い」ととってはならない。「ここまで教材に強くないと、内容のある面白い授業はできません。教師こ...

「歴史教科書」に続く「地理教科書」である。まえがきにある「(社会科の授業が、内容がなく面白くないのは)勉強不足」というところの「お手伝い」という意味もあって書かれた。しかし、これを「お手伝い」ととってはならない。「ここまで教材に強くないと、内容のある面白い授業はできません。教師こそ学べ」という、有田先生からの強く厳しいメッセージであると私は読みとった。本書の内容や構成を見ると、有田先生が日々の授業でどのようなことを大切にされてきたのかを学ぶことができる。 ① 【地図】による図解  「教科書」とあるが「これは地図帳ではないか」と思うほど、特に地理用語の説明については地図が多く表記されている。有田先生がそれだけ「地理授業には【地図】が命」ととらえて授業をつくっていたのだろう。また本書にあげられている地理用語は、大人でも(社会科教師でも…)「どうだったっけ?」「子どもにどのように説明するとよいのか」頭を悩ませてしまうものばかりである。そこで、地図による図解である。これがあることによって、説明がぐぐっと分かりやすくなる。また、これらの地図を「白地図」に再構成すれが、子どもたちが着色や書きこみなどの作業をすることができるようになる。作業化を取り入れることで、子どもたちに地理用語を定着させることができるだろう。そして、このようにして獲得した地理用語を用いて、考えたり伝え合ったりする授業へと展開していくことができるだろう。これこそ「内容のある面白い授業」であるといえる。地理用語を学ぶ授業でそれは可能となる。 ② 【グラフや表】などのデータ  「日本の産業」の章からは、とにかくグラフや表などのデータがふんだんに盛り込まれている。データについては授業で取り扱う際に、更新しておく必要があるが、有田先生が授業をつくっていくために、どのようなデータを活用したのかを読み解くことができる。これを応用・転化させていくことで、子どもたちに合わせた自分の授業としていくこともできる。「地理の授業において【グラフや表】が命」である。ここから、変化の様子を読み取ることで追究課題が生まれ、調べていくことになるからである(調べていく過程でも、グラフや表は出てくる)。読み取りを重ねていく中で、子どもたちは自身の考えを構築していくことのできる授業となる。それを発言し合うことで、深まりのある授業となっていく。また発言の際にも読みとった数値などのデータが出てきて、説得力や論点が鮮明となり、より白熱した討論となっていくことも期待できるだろう。それだけグラフや表は社会科授業において大切なものである。 ③ 知識定着の確認  「知識の定着」…これを疎かにしないということも、授業においては大切なことである。本書にもトレーニングテストや教科書テスト(基本・応用)があり、子どもたちの知識定着の実態を確認できるようになっている。社会科授業、「【知識】も命」なのである。 これからの社会科授業、コンピュータによる情報の収集・加工・発信も学習技能として必須となる。それについても本書は、谷和樹先生のご協力により書かれている。

Posted byブクログ