奇子 手塚治虫漫画全集(1) の商品レビュー
ついに手を出しました、黒手塚作品の白眉! 想像以上にブラックで惨いですが、やはり魅力的な作品です。名家に隠された翳……天外家狂っていやがるぜ。続きが気になる!! (何回か読んだ後改めて感想を書く予定)
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戦後、帰郷した主人公を待つ天外家の人々。それぞれが秘密を持ち、中でもその出自が複雑な奇子。その存在は幸運か災いか。続きが気になる1巻。
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終戦から5年。淀山の大地主天外(てんげ)家の二男仁朗は戦地で通じたGHQの高官から、ある仕事を受ける。 それはある人物の死体を線路に置き、轢死と見せかける仕事だったのだが……。 戦後の混乱期に起きた国鉄総裁が轢死した下山事件などを題材に、田舎の大地主の血族が没落していく中で、土蔵の中に閉じ込められたまま成長した奇子の人生を描く怪作。
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手塚作品の中には「白」と「黒」がある。 児童向けはまぎれもなく白だが、 この作品は真っ黒で、ここまで人の業をいやしく描けるものかと 唸ってしまう。背けたくなるような理不尽な展開も多く 胸が苦しくなる。誰もが不幸であるが、 一番不幸なのは心が少女のまま成長を遂げた 箱入り(本当の箱入り)娘の奇子であることは 間違いない。
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数年前に借りて読んだマンガ思い出しレビュー。 これも掲載誌はビッグコミックだったんですねぇ。 第二次大戦後の日本の世相を絡めながら、 因習に縛られた奇態な一家の姿を描く、ドロドロの愛憎サスペンス。 奇子(あやこ)自身は罪のない、かわいそうな少女だと思うが、 それにしても、欲望の赴...
数年前に借りて読んだマンガ思い出しレビュー。 これも掲載誌はビッグコミックだったんですねぇ。 第二次大戦後の日本の世相を絡めながら、 因習に縛られた奇態な一家の姿を描く、ドロドロの愛憎サスペンス。 奇子(あやこ)自身は罪のない、かわいそうな少女だと思うが、 それにしても、欲望の赴くまま――っていうのが、 リアルなのかそうでないのか……とにかく、ちょっとヒキました(苦笑)
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こんなに後味が悪いマンガはないです。 一番悪かったのは生き残ったお母さんだと思う。 大学のレポートの題材にできたくらい内容の濃い話でした。
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図 樋口毅宏の例の元ネタ集から辿ってきた。 1話だけを読んだ時は「戦後間もない旧家の家庭内ドロドロ悲劇」のような展開になっていくのかと思っていたら、1巻時点でどんどん規模が大きくなっていって。 『アドロフに告ぐ』に雰囲気は似ているのかな。 アレよりもっと人間の欲望が混ざり合っているけれど。
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大傑作でしょ、これ! 読む前はあんまり期待してなかったけど、全3巻で山崎豊子並の重厚さ。もうお腹いっぱい。一応あらすじ(wikiから)は、 昭和24年、戦争から復員した天外仁朗はGHQの工作員になっていた。ある時、命令で共産主義者の男の殺人(通称 淀山事件)に関与する。その...
大傑作でしょ、これ! 読む前はあんまり期待してなかったけど、全3巻で山崎豊子並の重厚さ。もうお腹いっぱい。一応あらすじ(wikiから)は、 昭和24年、戦争から復員した天外仁朗はGHQの工作員になっていた。ある時、命令で共産主義者の男の殺人(通称 淀山事件)に関与する。その男は、自分の妹の天外志子の恋人であった。 さらに事件関与後、血のついたシャツを仁朗が洗っているとき、知恵遅れの少女お涼と、自分の父親と兄の嫁との間にできた少女 奇子がそれを見てしまう。仁朗はお涼を口封じのため殺し逃亡する。奇子は一族の体面のために急性肺炎で死亡したことにされ、天外家の土蔵の地下室に幽閉されたまま育てられるが… となってるけど、これじゃ全然面白さ伝わらない。もうこの面白さは自分で読んでもらうしなかいよ。
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手塚治虫の描く女ってこんなに色っぽかったのか 奇妙な人間関係の連鎖で一族が潰れる様が綺麗に描かれていたと思う ラストの洞窟で奇子だけが生き残ったってのも皮肉が効いててすごくいいオチだし、最後のお母さんのセリフも虚しさを一層引き立てていた もっと長編になる予定だったらしいが綺麗に終わったなと思った
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今の時代という視点からみると、非常に”陰惨”の一言だと思う。 自分の見たこともない時代を描ける手塚治虫氏が、生きて感じてきた時代の話なのでこの設定や社会情勢は非常にリアルで緻密な感じがする。 そこに変わらず存在する、人間の欲望というものが加われば… 最初に書いた”陰惨”は間...
今の時代という視点からみると、非常に”陰惨”の一言だと思う。 自分の見たこともない時代を描ける手塚治虫氏が、生きて感じてきた時代の話なのでこの設定や社会情勢は非常にリアルで緻密な感じがする。 そこに変わらず存在する、人間の欲望というものが加われば… 最初に書いた”陰惨”は間違っていないと思うが、もし自分がその時代に生き、天外家に生まれていたらと想像してみると登場人物のどの生き方も異常と片付けられない気がしてくる。
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