含羞(はぢらひ)(1) の商品レビュー
依存症や家族との関係で苦しむ人を描いてきた曽根富美子さんが、夭折の天才詩人・中原中也と文芸評論家の小林秀雄の友情を、天才詩人・中原中也に対する小林秀雄の嫉妬や中原中也と小林秀雄とやすこの三角関係などを交えて描いた文芸漫画です。 伝統的な名士の家に長男として生まれ、過大な期待と教育...
依存症や家族との関係で苦しむ人を描いてきた曽根富美子さんが、夭折の天才詩人・中原中也と文芸評論家の小林秀雄の友情を、天才詩人・中原中也に対する小林秀雄の嫉妬や中原中也と小林秀雄とやすこの三角関係などを交えて描いた文芸漫画です。 伝統的な名士の家に長男として生まれ、過大な期待と教育を受けたものの、山口県立中学を落第し京都の中学に追いやられた中原中也の旧家族制度を始めとする伝統に対する屈折した感情、中原中也の「詩とは、認識する前の言い表しがたい生命の衝動を書くもの」「物書きというのは、ケダモノです。ところが自分は頭がいいと思い込んでいるから人前に出ると滑稽なくらいかっこつけて人に誉められようとする。だけどそんな輩でも、叫ぶ時は真実だ。僕は僕の言葉の中にその叫びを見たい」「凄いものをいつかつかみたかった。女のぬくもりも母の愛も俺の中をすり抜けてしまう。それでも自分の魂が俺を揺さぶり命ずるのだ。負けるな。戦え」という言葉に凝縮された詩人としての葛藤や信念、戦争に向かって行く日本の閉塞した時代の中で模索した文学者の青春群像を、荒削りなくらい描いた文芸漫画です。
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結局ね, 此れがいちばんすきな漫画なのがしれない。 晩年にじっくりと読み返せたらな。違う感想を持てるのだろう,と。
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中原中也と小林秀雄の愛憎入り乱れた関係を描く。 持たざる者・小林秀雄が、持つ者・中原中也へ抱く憧憬と憎悪が切ない。
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