シュマリ(下) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
北海道の開拓期を背景に、過酷な利権抗争を生き抜き、夢を追うシュマリの物語はこれからも続いていくというラストには救いがあって、まずはよかったなあと。 登場人物の誰もが葛藤し、自分の信念を貫き、あるいは見つけていく様が強烈だった。 本当の意味で弱い人間なんて、この作品の主要人物にはいなかったはず。 個人的にはシュマリを支え続けたお峰さんの愛に感服してしまう。 峰さんは自分の一部なのだとシュマリが語りかけるシーンでは思わず涙が出た。 シュマリがお妙さんに向ける熱烈な愛とは違うけれども、これもまた一つの大きな愛の形なのだと思う。 シュマリという作品は明暗に彩られた人生ドラマであっても、深い愛情がきちんと根底にあるからこそ、血なまぐさい話で終わらないロマンあふれる話になるのではないかと思う。
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一時期(1970年代前半)の黒手塚が徐々に緩和されてきて、我武者羅に生きるひとりの男「シュマリ」の生き方に率直かつ真っ当から焦点をあてた作品。代表作のひとつと言っても差し支えないでしょう。その舞台の壮大さ(「動くなあ雲が!どうだこの空の広さ……」)と、登場人物(シュマリ、お峰、妙...
一時期(1970年代前半)の黒手塚が徐々に緩和されてきて、我武者羅に生きるひとりの男「シュマリ」の生き方に率直かつ真っ当から焦点をあてた作品。代表作のひとつと言っても差し支えないでしょう。その舞台の壮大さ(「動くなあ雲が!どうだこの空の広さ……」)と、登場人物(シュマリ、お峰、妙、太財弥七、ポン・ション、十兵衛…)それぞれの人間的魅力が圧倒的です。
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