MW(ムウ) 手塚治虫漫画全集(1) の商品レビュー
去年、実家の本棚に置きっぱなしだった手塚漫画を持って返ってきた。20年ぐらい前に読んだきりだったので、すっかり中身は忘れていた。 冒頭の手塚治虫の言葉 「従来の手塚カラーを打ち破り、あっけにとられるようなピカレスクドラマを書いてみたいと思って、この物語の構想を立てた。ありとあら...
去年、実家の本棚に置きっぱなしだった手塚漫画を持って返ってきた。20年ぐらい前に読んだきりだったので、すっかり中身は忘れていた。 冒頭の手塚治虫の言葉 「従来の手塚カラーを打ち破り、あっけにとられるようなピカレスクドラマを書いてみたいと思って、この物語の構想を立てた。ありとあらゆる社会悪ー暴力、裏切り、強姦、獣姦、付和雷同、無為無策……、とりわけ政治悪を最高の悪徳として描いてみたかった。が、今となって遺憾千万なのは、すべて描きたりないまま完結させてしまった、自らの悪筆に対してである……。」 むごたらしい猟奇殺人に淫靡な同性のセックスシーン。これが1978年の作品ってとても思えない。 作中にビアズリーの絵が模倣されていて、いかにも男色な快楽主義的でそそられる作品だ。10数年前に映画化されているが、男色なシーンは一切ないらしい。10数年前でさえ、世間は手塚作品に追いつていなかったということか。
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……手塚治虫作品でこんな事ってあるの? っていうか何か狐につままれているような第1巻。何となく夢野久作『ドグラ・マグラ』を思い出しました。
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15年前、沖ノ真船島で貯蔵されていたMWと呼ばれる毒ガスにより、島民が全滅するという事故が起きた。 しかし、この事故はある勢力の圧力により隠ぺいされ、世の中に知られることはなかった。 この事故で生き残った結城美知夫は、MWにより知能が進んだものの人間的な感情の欠落した人格に育っていた。 一方、当時ヒッピー崩れだった賀来は、このときから結城と関係を持ち、神父となっていた。 結城の犯罪を知りながら警察に突き出せない賀来と、それをあざ笑うようにMW関係者に復讐を重ねる結城。
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1976-78年、ビッグコミック連載。 77年は手塚先生の入院時期。 ラストに向かって尻すぼみなのは残念。 本当は壮大なカタストロフを描きたかったはず。 当時公判中の田中角栄をネタに使うのが凄いなあ。
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映画化される前に借りて読んだマンガ思い出しレビュー。 これも掲載誌はビッグコミックだったんですねぇ。 秘匿された化学兵器の謎と倒錯した人間関係を絡めた異色作。 狂気じみた美知夫の弾けっぷりが、いっそ清々しい(笑) ただ、途中盛り上がっただけにオチがちょっと残念だった。
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アートではなくて、新聞的な漫画かなあと思います(最初の方ちょっとがんばろうとした跡が見えたので) 作者が得意とするテーマぽいのにかなり気が散ってる印象
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マンションで読む。再読です。初めて読んだのは小学生のときでした。何度読んでも面白い。映画は、面白かったのでしょうか?
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プレズンブレイク? と思うようなところがあり、PBよりはるか昔の作品であるのにも関わらず、 展開など複雑でおもしろい。 MWについての謎のふくらましかた、 主人公、結城のモラルが一切ない優れた思考 とてもおもしろかった。
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全ての悪が詰まった一作。映画のようなコマ割りや展開に、手塚治虫のエンターティメント性を見る。面白くて一気に読んでしまった。天使と悪魔のような戦いだが、やはり悪魔の力は強いなと思う。
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映画化という事で読んでみました。ただ当時にしては設定が強烈ってだけで、特にストーリー的にはおもしろいと思いませんでした。
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