わたしが嫌いなお姐様 の商品レビュー
これレビューしてなかった我ながらの片手落ち。花の24年組のお家芸である美少年同士のあまくせつない恋愛はいっさいなく、歌舞伎や能を原本にした木原先生真骨頂の作品集。流れるような歌のようなせりふ、めくるめく麗しい着物に舞台設定。とにかくこの単行本に収録されている作品のテーマは「女性」...
これレビューしてなかった我ながらの片手落ち。花の24年組のお家芸である美少年同士のあまくせつない恋愛はいっさいなく、歌舞伎や能を原本にした木原先生真骨頂の作品集。流れるような歌のようなせりふ、めくるめく麗しい着物に舞台設定。とにかくこの単行本に収録されている作品のテーマは「女性」。元気でたくましくて華やかですこやか。ヒールである女性だって、木原先生にかかったら「中世的な超絶美人」として魅力的すぎるキャラになってしまう。読後の幸福感と達成感が半端なくて、ああ、女性として木原先生の女性像を読める恩恵にあずかれるなんてこんな役得ないな、と思ってしまう。萩尾先生のマーマレードちゃんしかり、竹宮先生の私を月まで連れてって! しかり。24年組の女性作家たちは美少年もジュネも大好きだが、自分と同じ女性のことも大好きなのだ。でなければ少女マンガ家たりえないのだ。 出典のある物語ばかりだからいうなれば二次創作なんだけど、先生は「ふつうはここで幕がおりるのですが、今回は(いえ今回も)大アレンジしてあるのでしつこくおまけがくっつきます♡」と木原先生ならではのハッピーエンドに仕立てたりしてる。このおおらかさ、伝統芸能なんですよね。大好き。
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これも女の子が元気! 木原先生はいぢわるな天敵キャラを、すこやか(これはぜったいに「健やか」ではいけない、「すこやか」で)な主人公にぶつけて楽しむという大前提があるけど、かならず勧善懲悪で、歌舞伎や舞台といった大衆演劇がベースになっていて読んでいて幸せになる。もちろん摩利と新吾...
これも女の子が元気! 木原先生はいぢわるな天敵キャラを、すこやか(これはぜったいに「健やか」ではいけない、「すこやか」で)な主人公にぶつけて楽しむという大前提があるけど、かならず勧善懲悪で、歌舞伎や舞台といった大衆演劇がベースになっていて読んでいて幸せになる。もちろん摩利と新吾を読んでいる方は、そんな一辺倒だけのマンガは描かないことを判っているけど。
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