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アンコールが3回(文庫版)(2) の商品レビュー

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2020/03/23
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 人気歌手の二藤ようこは、腕利きマネージャーの不破類と結婚しています。それは、ようこが結婚しないと歌手デビューしないといったから。結婚は秘密で、ばれないように隠さないといけません。  条件から始まった結婚なので、ようこは、いつも不安を抱えている。自分と結婚したのは、仕事としてやむなく、愛の言葉もキスも、嘘偽りなのではないかと。一方、類は、ようこの声に惚れ込んでいる。ようこを本物の歌手にならせたいと思っている。  二人の間にある愛や、音楽への想い、葛藤。単なるすれ違いもの、お互いに好きあっているのに、誤解があってとか、障害やライバルがいて、というだけでもない。芸能人として結婚を隠すというのは確かに物語のあちこちで、障害になったり、話しを進めるのに使われるけれど、本質の障害はそれだけではない。歌手でなくなれば必要とされないと思って、しかし歌手であって必要とされても、夫婦であっても、それは愛によるものではないと葛藤するようこ。  最後の最後、「あたしがどうしたいか、あなたにどうして欲しいか あなたは始めから知っていたはずよ」と言って、武道館ライヴに向かうようこのカッコよさ。そして、ラストシーン。何度読み返しても、大好きな忘れられないラストシーンです。

Posted byブクログ