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どついたれ(文庫版) の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2017/01/23
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※このレビューにはネタバレを含みます

手塚治虫氏の人生の危機が戦中~戦後にかけてのことなら、漫画家・アニメーション制作者としての最大の危機は、虫プロ倒産の時期か。後者において、債権者でありながら手塚氏に手を差し伸べた人物がいた。また、彼は、アトムに代表されるアニメーション制作の資金調達に不可欠な、版権・キャラクタービジネスと関わりを持つ人物でもあった。彼の戦中からの一代記を、手塚氏本人を含む実在人物と架空人物とを織り交ぜて描く。期せずして戦中戦後模様の作品を続けて読破したが、地べたを這いずり回るようなキャラの生き様が心を打つ。未完は残念。 初出1979~80年。

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2012/10/27

これは名作! 未完だが、そんなことは関係ない。 戦後の焼野原で奮闘する若い連中が生き生きとしていて痛快! 大阪が舞台だけあって会話はほとんど関西弁。 しかもバシバシ啖呵が飛び交う。 戦争の悲惨さが背景にあるが、痛ましさよりドライなアナーキーさが前面に出ている。 暴力も恥も犯罪も不...

これは名作! 未完だが、そんなことは関係ない。 戦後の焼野原で奮闘する若い連中が生き生きとしていて痛快! 大阪が舞台だけあって会話はほとんど関西弁。 しかもバシバシ啖呵が飛び交う。 戦争の悲惨さが背景にあるが、痛ましさよりドライなアナーキーさが前面に出ている。 暴力も恥も犯罪も不謹慎もヘッタクレもない。 それでいて大真面目。 初めて読んだ時は終始爆笑した。 「今に見とれェ」 この反骨精神がたまらない。

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2010/04/19

手塚治虫の隠れた自伝的作品。主人公の戦災孤児・哲(「はだしのゲン」の隆太を彷彿とさせる)、葛城製作所の若旦那・健二、ヒロやんトモやん、そして高塚修こと手塚治虫の戦中戦後が、大阪を舞台に物語を形作っています。哲のひたむきさ、登場する女性たちの儚さに泣けます。 「まさにこれから!」...

手塚治虫の隠れた自伝的作品。主人公の戦災孤児・哲(「はだしのゲン」の隆太を彷彿とさせる)、葛城製作所の若旦那・健二、ヒロやんトモやん、そして高塚修こと手塚治虫の戦中戦後が、大阪を舞台に物語を形作っています。哲のひたむきさ、登場する女性たちの儚さに泣けます。 「まさにこれから!」というところで未完に終わってしまっているのが残念すぎる名作です。

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2009/10/04

自伝的な作品。決して自分の信念を曲げない純粋な若者を主人公として、終戦後の混沌とした日本を描いている。貧しくとも失ってはならない心。手塚治虫のメッセージが未完となったのは非常に残念だ。

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