光線銃(レイ・ガン)ジャック 手塚治虫名作集(文庫版) の商品レビュー
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1995年刊行(初出1956~64年)。SFから人間の業を描くドラマ、政治裏面劇など多様な物語を集積した短編集。色々あるが、何よりも、後続のあらゆる作品に対して、そのイメージ、設定、世界観を提供しているのではないか、とも。放射能にまみれた地上を避難してできた地下都市東京市、光速突破航法、閉鎖宇宙船内での精神異常、笛の音が良心を呼びさます、原子力潜水艦の本国裏切り等々。ここまで来ると、著者のイメージの数々を多くのフォロワーが解釈し、広げ、さらに深化させたという事実を強く意識しないわけにはいかない。 昭和30年代に作られた本著の作品群。マンガ、アニメーションに著者の与えた刻印の巨大さを、本作からだけでも感じることが可能。
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アトムにしろロビタにしろ何にしろ、「ロボットの(人間以上の)純粋で優しい心」というのは手塚治虫のSF作品のテーマのひとつだと思うわけですが、「光線銃ジャック」もそんな要素が盛り込まれた短編です。 地下に避難したお母さんにも会えず、最後ロボット一家を助けるために死んでしまうジャッ...
アトムにしろロビタにしろ何にしろ、「ロボットの(人間以上の)純粋で優しい心」というのは手塚治虫のSF作品のテーマのひとつだと思うわけですが、「光線銃ジャック」もそんな要素が盛り込まれた短編です。 地下に避難したお母さんにも会えず、最後ロボット一家を助けるために死んでしまうジャック(泣)。50年近く前の作品でありながら、色褪せていません。
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