白縫 手塚治虫名作集(文庫版) の商品レビュー
表題「白縫」の人間の自然破壊に対する自然の逆襲。「ブタのヘソのセレナーデ」核の世界に対する痛烈な皮肉。「コラープス」人間の浅ましい争いを裁く自然の猛威。「月と狼たち」ニューヨークのルンペン、スズキとダスティンの宇宙人とのSFコメディ。「ヤジとボク」手塚治虫版”アルジャーノンに花束...
表題「白縫」の人間の自然破壊に対する自然の逆襲。「ブタのヘソのセレナーデ」核の世界に対する痛烈な皮肉。「コラープス」人間の浅ましい争いを裁く自然の猛威。「月と狼たち」ニューヨークのルンペン、スズキとダスティンの宇宙人とのSFコメディ。「ヤジとボク」手塚治虫版”アルジャーノンに花束を”。「シャミー1000」猫型宇宙人と人間の戦い。。。どれも現代を皮肉った傑作ばかり。面白かった!
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1995年刊。「白縫/71年初出」「ブタのヘソのセレナーデ/71年初出」「コラープス/71年初出」「月と狼/72年初出」「ヤジとボク/76年初出」「シャミー1000/68年初出」の6編。幻想譚、宇宙冒険譚、歴史譚などコンセプトの多様性から、高等生命体の地球人観察譚、下等生物に知性を持たせたら、環境問題(生態系の議論までは至らないが)、核戦争と核の抑止力の風刺譚などモチーフも縦横無尽。中にオチの読めた作品もあったが、かかる多様性こそ手塚氏の最大の魅力。解説の中島梓氏も「世界のすべて」をわれわれに投出と評。 言い得て妙であるし、解説もピカ一。中島氏の手塚評論は見てみたかったなぁ。
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環境破壊への警鐘は手塚治虫の重要なテーマの1つで、いろいろな作品に彼の主義主張が盛り込まれています。表題「白縫」もそうした作品のひとつ。 伸二の兄の部下としてランプ、 ハム・エッグ、 ヘック・ベン、 ドジエモンが出演。見開きの1ページ目、汽車の煙の描写に目を見張ります。
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(内容) 開発という名の地球破壊が、海辺の街を舞台に展開する。 美しい海は消え、名物の白縫の火も見えなくなった。 そんなある日、不思議な少女が現れた……。 表題作「白縫」ほか「ブタのヘソのセレナーデ」「コラープス」「月と狼たち」「ヤジとボク」など、6編を収録。 (ブック・カヴァー...
(内容) 開発という名の地球破壊が、海辺の街を舞台に展開する。 美しい海は消え、名物の白縫の火も見えなくなった。 そんなある日、不思議な少女が現れた……。 表題作「白縫」ほか「ブタのヘソのセレナーデ」「コラープス」「月と狼たち」「ヤジとボク」など、6編を収録。 (ブック・カヴァーより) (感想) 手塚治虫名作集の6巻目。 収録されたのは以下の6作品。( )は、掲載雑誌。 白縫 (昭和46年4月26日号・週刊少年ジャンプ) ブタのヘソのセレナーデ (昭和46年5月24日号・週刊少年ジャンプ) コラープス (昭和46年12月27日号・週刊少年サンデー) 月と狼たち (昭和47年1月17日号・週刊少年ジャンプ) ヤジとボク (昭和50年3月号・月刊少年ジャンプ) シャミー1000 (昭和43年4〜9月号・高1コース) 「白縫」は「自然破壊を止めましょう」というベタな話で面白くなかったが、「ブタのヘソのセレナーデ」が良かった! 絵は子供向けだが、結末は「上を下へのジレッタ」みたいで大人漫画っぽく、ミスマッチ具合がいい(笑) 「月と狼たち」は、後半で「あぁ、ラストは悲劇的な結末になるのかな」と思いきや、馬鹿馬鹿しいオチだったので、これも良い意味で期待を裏切られた。 「シャミー1000」は、主役級の登場人物を容赦なく一瞬にして殺してしまうあたり「ノーマン」と共通する匂い。 本作は色んなタイプの手塚作品が見れて、結構良いんじゃないでしょうか。
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