百物語(文庫版) の商品レビュー
東京新聞で紹介されてて、久しぶりに漫画を読んだ。もうすぐ60歳になる自分は、しばしば「次の10年にはどんな物語があるんだろうか」と考える。悔いのない10年にしたい、と考える。百物語もそんなお話です。
Posted by
お家騒動のとばっちりを受けて切腹するはめになった主人公、一塁半里は悪魔・スダマに魂を売って不破臼人として生きることになるが。。。最後のスダマの台詞「さあおゆき!不破臼人、天国へでもどこへでも飛んでお行き!」優しい悪魔の物語。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『百物語』 「ないと思うわありっこないもの・・・でも・・・あたしは例外かしら・・・・・・」 「悪魔はね生まれたときがとしよりなの それからだんだん若がえって最後には赤ん坊になって消えちまうの」 「あなたが満足なんかしたらあなたの命はおわるのよ」 「魔女のあたしがだめというのに・・・ばかねえ!」 「あたしをきらいだといって!!そうしたらあなたを助けるわ」 『荒野の七ひき』 「キミタチハシマツニオエナイナ・・・」 「ぼくやきみやみんなにたべられて死んだんだ これ以上なにをいうことがある?」 特にこのふたつが好き。
Posted by
名作だなー、小学校のときとか、きちんと読んでおくべきでした。笑 もちろん、今読んでも感じるものはあるけど、小さい頃読んでたらもっとやさしい人間になれたかな?
Posted by
表題作の「百物語」は、ゲーテの「ファウスト」の翻案なのですが、非常によく出来た中編です。(主人公の名前が「一塁」なのは、ファウスト→ファースト→一塁→バンザーイ!バンザーイ!……って感じのダジャレだそうです) 魂を取るために一塁を満足させる、その為に共に旅を続けるうちにいつの間に...
表題作の「百物語」は、ゲーテの「ファウスト」の翻案なのですが、非常によく出来た中編です。(主人公の名前が「一塁」なのは、ファウスト→ファースト→一塁→バンザーイ!バンザーイ!……って感じのダジャレだそうです) 魂を取るために一塁を満足させる、その為に共に旅を続けるうちにいつの間にか彼に惹かれてしまうスダマ(メフィストフェレスの役回り)がとにかくエロ可愛い。ビジュアル的に小池栄子を想起してしまうのは私だけでしょうか。 併録の「安達が原」も、秀逸な短編です。おすすめ。
Posted by
自分の願いと引き換えに悪魔に魂を売った主人公の名前が不破臼人(ふわうすと)であることが示すように、「ファウスト」を下地にして、日本の戦国時代に舞台を移して作られた物語。 ストーリーはだいぶ、オリジナルの「ファウスト」とは異なるけれど、そのエッセンスが、見事に取り出されて表現されて...
自分の願いと引き換えに悪魔に魂を売った主人公の名前が不破臼人(ふわうすと)であることが示すように、「ファウスト」を下地にして、日本の戦国時代に舞台を移して作られた物語。 ストーリーはだいぶ、オリジナルの「ファウスト」とは異なるけれど、そのエッセンスが、見事に取り出されて表現されている。 そして、オリジナルとどちらが面白いかと言えば、手塚版のほうが断然面白いと思った。「ファウスト」が、基本的には神と悪魔、善と悪というニ項対立の枠組みの中で作られている物語であるのに対して、この「百物語」は、それをもっと日本的に、単純な二元論ではない驚きの展開へとつながっている。 悪魔と人間は、お互いに憎みあい奪いあう相手ではなく、悪魔は人間を理解しようとし、人間も悪魔と同じ世界を共有しようとする。ここまで設定を変更しておきながら、原型となっている世界観を換骨奪胎して完全に自分のものにしてしまう手塚治虫という人は、本当に天才的な物語作者なのだと思う。
Posted by
手塚治虫版『ファウスト』の第2作。一塁半里(ファースト=ファウスト・ハインリヒ)から生まれ変わった不破臼人(ファウスト)の活躍と悪魔スダマの可愛らしさっぷり、そして物語構成の巧みさが相まって、隠れた名作です(別に隠れてもいないけれども)。 「あたし……、ご主人さまにメタメタに...
手塚治虫版『ファウスト』の第2作。一塁半里(ファースト=ファウスト・ハインリヒ)から生まれ変わった不破臼人(ファウスト)の活躍と悪魔スダマの可愛らしさっぷり、そして物語構成の巧みさが相まって、隠れた名作です(別に隠れてもいないけれども)。 「あたし……、ご主人さまにメタメタにポーなの」スダマのこの一言は名言すぎます。
Posted by
- 1