ベルサイユのばら(集英社C文庫版)(3) の商品レビュー
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前半がマリーアントワネットによるベルサイユ宮殿の中での権力闘争と恋愛に主軸を置いているのであれば、この巻から後半はフランス革命という戦いと恋愛という部分に主軸がうつったように思います。 前半部分はフランス版源氏物語的な要素があるというか、それはそれで面白いのですが、後半は完全にレ・ミゼラブルというか、それに恋愛要素を色濃くした感じがしました。 貧困・革命・そして身分違いの恋愛と様々なテーマを描き、アンドレの献身的な愛がここぞとばかりに散りばめられていて、少し涙が出てきました。 比べては申し訳ないけれど、フェルゼンの不倫とはやっぱ重みが違うなぁと思ってしまうのですよね…。 もちろんフェルゼンも命がけでマリーアントワネットを守っていたとは思いますが…。
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この巻ではオスカルが女としてのアイデンティティに目覚め、衛兵としての自らの立場や言葉にできない愛に悩み始める。 「黒い騎士」の正体を暴く場面では、貴族社会の矛盾を思い知り、騎兵隊の部下、アラン・ド・ソワソンとの闘いでは、男女の体力的な違いを思い知る。フェルゼンはオスカルが女だと気づき、アンドレの恋心はますます明確になる。 しかし、そんなオスカルの内面の混乱を尻目に、状況は革命に向けて雪崩を打って進んでいく。宮廷の積み上げた借金はもはや小手先の再建策ではどうしようもないところにまで達しており、政局は不安定さを増していく。 この状況にオスカルに父はジェローデルとの結婚を薦め、家の跡取りづくりに乗り出す。ジェンダーの混乱へと迷い込むオスカル。アンドレの失明、アントワネットの息子モンセニュールの死。
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オスカルのかっこよさ、強さがさらに感じられる巻です。 温室育ちで世間知らずだったオスカルが様々な立場の人と関わることでフランスの現状を知り、その心には信念が芽生えはじめているのが読んでいてもよくわかります。 また、この巻からアンドレにもフォーカスが当たり、どんどん男らしく、人間臭...
オスカルのかっこよさ、強さがさらに感じられる巻です。 温室育ちで世間知らずだったオスカルが様々な立場の人と関わることでフランスの現状を知り、その心には信念が芽生えはじめているのが読んでいてもよくわかります。 また、この巻からアンドレにもフォーカスが当たり、どんどん男らしく、人間臭く、かっこよくなっていきます。オスカルとの関係性も見どころです。
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母となったアントワネット。母とは強いものですね… これまで、物事の意味合いをしっかり考えずにしてきた事で、取り返せない状況に追い込まれていく。 革命の足音が聞こえてくる中、1人の人間として、苦しみ成長していくオスカル。同時に、男としての自分と女としての自分の間で苦しんでいく。 さらに、オスカルを近くで見つめ続けるアンドレの苦悩。 物語も中盤を過ぎ、盛り上がってきている。
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①オスカルは、近衛隊を離れ、平民・貧乏貴族の属する衛兵隊へ。女であることを否応なしに思い知らされる描写が彼方此方に描かれる。アンドレとの契りへの絶妙な伏線だ。 ②一方、恋しいフェルゼンとは永遠の別離。アントワネットを愛する人を愛せないのは当然だが、それは男として振舞うことを家のために強いられてきた帰結である。 ところが、これを強要してきた父の豹変。子を産む機械の如き扱いは父権的社会による女性の圧殺そのものだが、愛を捨てたオスカルの狂犬とも見紛うばかりの反発と抵抗を招くのは当然である。 明確に描かれないが、ここが後のオスカルの行動を決定づけた印象が強い。 ③また、受け入れて貰えない愛に懊悩するのはアンドレだが、もう一人、眩しい女性に身を竦ませるのがルイ16世。なんとも絶妙な立ち居地と塩梅である。 このように、キャラクターらの愛憎とそのすれ違いを描きつつ、歴史の大きな流れは、民衆の王室への憤怒のマグマは正に爆発せんと。
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黒騎士から、王室の財政難まで。 国民の生活をしらいない貴族には同情しがたいとこをがある。 オスカルは女性としての幸せを感じてほしい。 アンドレは光を失わないでいてほしい。
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備忘メモ。 ■オスカルの苦しみ ・黒い騎士をとらえたオスカル。アンドレは片目を負傷。黒い騎士はベルナール、かつて母を失ったロザリーを助けた新聞記者。ベルナールとロザリー結婚。 ・フェルゼン、オスカルの自分への想いに気付き、長年の友情もここで終わりと切ない別れ。 ・アンドレ、オスカルに告白。 ・オスカル、近衛連隊を除隊、柄の悪い部隊の隊長に、希望して就任。女の下になんかつけねーよという部下たちからの洗礼を受けるが、権力で押さえつけることはしたくないのでぶつかって応じるオスカル。ボディガード役でアンドレもそっちの隊に異動。 ・マリーの第二王子シャルルはフェルゼンの子なんじゃないのという噂。ルイ16世にそういう中傷の手紙が届く。
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2015年3月18日読了。パリの都に出没する盗賊「黒い騎士」を追うことで、市民の貧しい暮らしと貴族・王宮の豪華な暮らしの差に気付くオスカル。様々な男性に愛を告白され、自分の生き方について悩むが…。めくるめく世界に突っ走っていく感のある第3巻。オスカルを取り巻く環境は豪華絢爛・イケ...
2015年3月18日読了。パリの都に出没する盗賊「黒い騎士」を追うことで、市民の貧しい暮らしと貴族・王宮の豪華な暮らしの差に気付くオスカル。様々な男性に愛を告白され、自分の生き方について悩むが…。めくるめく世界に突っ走っていく感のある第3巻。オスカルを取り巻く環境は豪華絢爛・イケメンと美女ばかり揃うものだが、パリはまさに革命前で王族が市民から全く支持されなくなっていることも描いていく、作者のストーリーテリングは見事。兵士として生きるか女性として過程に入ることを選ぶか、オスカルの悩みはまさに現代女性(70年代も現在も変わらず)が直面している悩みなのか。
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最高の友情として結末を迎える オスカルの初恋。2人が並ぶと濃ゆい♡ アンドレと並んでも濃いけれど[*´▽`*] 誰の恋もまだうまくいかない3巻。 秘めた想いがぐるんぐるん。 アンドレも切ないけれど、深く愛しながらも 不器用で自信のなさから形式上では 結ばれながらも、うまく伝えら...
最高の友情として結末を迎える オスカルの初恋。2人が並ぶと濃ゆい♡ アンドレと並んでも濃いけれど[*´▽`*] 誰の恋もまだうまくいかない3巻。 秘めた想いがぐるんぐるん。 アンドレも切ないけれど、深く愛しながらも 不器用で自信のなさから形式上では 結ばれながらも、うまく伝えられず 忍ぶようにマリーを愛し見守る王太子も切ない。 そして、ジョゼフとシャルルの天使のごとき かわいさたるやっっっ!!! フリッフリにパフスリーブの似合う王子。 エンジェル!!!ヽ[´▽`]ノ♡
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えたいの知れない黒騎士を捕まえようとして、逆にケガを負ってしまうアンドレ。 おまけに、ロザリーを誘拐され、オスカルとアンドレは敵の城へ忍び込むこととなる。 忍び込んだオスカルは、そこで活発にされている議論の中身を知り、貴族の時代が終わろうとしていることを痛感する。 このまま近衛隊に勤めていても、何もわからないと、考えたオスカルはマリーアントワネットに願い出て、フランスの衛兵隊へと仕官することにする。 そんな時、オスカルに急に結婚話が持ち上がる。今まで男として生き、近衛隊長まで勤め上げたオスカル。 そんなオスカルが女として会いたいと思った唯一の男は、手の届かないところにいる。 オスカルの出した結論は、婚礼を蹴り、今後も男として生きていくこと。 そんな中、マリーアントワネットとフェルゼンの不倫が、面白おかしくかきたてられる。 そしてますますフランスは混迷を深めていく。 混迷を深めるフランスの、貴族の下にある民衆の闇が明らかになってきます。 これがフランス貴族だけの話であれば、マリーアントワネットの恋愛話、というところでハッピーエンドになると思うんですが、この話はあくまでもファンタジーではなく、歴史漫画なので民衆を無視して世界は成り立ちません。 そんな中、今回は女なのに男として生きるオスカルがメイン。 いきなり父親から結婚話を突き付けられ、アンドレからは告白される。 今まで自分が女であるということをあまり気にせず生きてきたのに、いきなりのこの状況にオスカルは戸惑う。 という感じでした。 男装の麗人が自分が女であるということに悩む、ちょっと厳しい巻でした。 そうこうしているうちに、フランスの状況はどんどん悪くなっていて、物語が最後へと向かっているのがひしひしと伝わってきます。 歴史物なので、結論は1つしかないけれどそのことがとても辛いです。
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