手塚治虫怪奇短編集(文庫版)(1) の商品レビュー
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『そこに指が』が好き。次元でぼんやり同じようなことを考えたときがあったので嬉しかった。 「そもそも生きもののメスはですな…オスを食うようにできとるンですな…」 「ま 次元の違う人間とでも申しましょうか」 「こわすのと分解するのとはちがうよ」 「なにをなさるンです らんぼうな。もう あなたみたいに らんぼうなお客は おことわりです! エネルギーのままそっくりお返しします さァお受けとり下さい!」 「この世界ではからだがあれば感覚も運動もある。苦しみや痛みもある。そのかわり何かちからいっぱいやろうと思えばやれる…からだがなけりゃ精神的に苦しんでもなんにもできやしないんだ。」 「だからはびこりすぎた人間は自滅していく。天災や戦争や事故で人間はどんどん大量に死んでいく。これが自然淘汰だと谷村教授はいうんだ。」 「ふえすぎた人間が整理されていくんですね」「そういう運命ね」「なんだか気分が悪くなったな帰ろ…」 「きみは多次元宇宙のことを知ってるかね?この宇宙にはいくつも無数に世界があるのだ。その世界はそれぞれちがっていてそれぞれにきみがいる いや きみ自身もそれぞれ違っている…」 「でも競争のない世界がどんな結果をつくったかわかって?あなたもこんなパスをもらうわ。生存保証パスよ。」 「なんだい?生存保証パスって」 「生きててもよろしいって証明書なの」 「不合格だったら?」 「すぐ殺されるわ。生きる資格を失うの」 「その特別サービスってのはどうゆーことだ。教えてくれ。」 「おこることないだろ…むかしタルティーニというバイオリニストだって悪魔と取り引きしてバイオリンの天才になったって話もある」
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