旬(8) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
漫画『旬』を全巻読了。実に素朴なストーリーなのですが、とにかく5巻以降はじわじわ押し寄せてくるような面白さでした。ヒューマン・ストーリーに移行してからは画面構成も魅せ方も本領発揮にして面目躍如といった趣で、学ばせて頂いた部分もかなりありました。 学んだ、というのは、今構想している料理小説のテーマのことです。料理とはイメージであり、イメージの伝達であり、伝達は常に人間ドラマ足りうるのだとはっきり気付きました。やっと料理モノの本質が腑に落ちてきました。今までも感じてはいたけど、どうも腹の底からは納得できずにいたのです。 それにしても面白いのは、つくづく青沼さんと谷山さんの二人。どんどん美しくなっていく上に、常にオイシイとこ取りの青沼さん。なんだかんだ言いながら主人公の愛情を独り占め、頬にキスの栄光まで手にした谷山さん。もうこの二人がヒロインでいいよ・・・。 本命ヒロインの彩さんなんて、最終巻でやっと表紙になったんだぜ!? 谷山さんなんて3巻だったし、青沼さんも6巻だ!! まあ最後にはすべてが大大大団円だったのでよかったけど。 素朴で地味なのであまり注目されてはいないようですが、この『旬』はもっともっと評価されていい作品だと思います。全8巻でそんなに長くないし、料理漫画が好きだという方は是非試してみて下さい。素朴だけど丁寧に作られた良作ですよ。
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