オルフェウスの窓(文庫版)(7) の商品レビュー
2015年4月7日読了。銃撃飛び交うモスクワに革命の闘士として身を投じたクラウスの流転と、彼を追うユリウスの邂逅。泥まみれで爆弾を投げ銃を撃つ、強制収容所で労働する、と少女漫画らしからぬ(失礼、そんなことはないと思うが)熱い描写が突っ走る第7巻。祖国や同胞のために命も捨てる、ロシ...
2015年4月7日読了。銃撃飛び交うモスクワに革命の闘士として身を投じたクラウスの流転と、彼を追うユリウスの邂逅。泥まみれで爆弾を投げ銃を撃つ、強制収容所で労働する、と少女漫画らしからぬ(失礼、そんなことはないと思うが)熱い描写が突っ走る第7巻。祖国や同胞のために命も捨てる、ロシアの面々の熱さがたまらない。我々日本人には、現代起きている東欧や中東の紛争も、それを魂の底から理解することは難しいだろうが、こうした漫画を読むことでその歴史に共感したり、「みんながみんな芯からの殺し屋ではなく、それぞれに家族があり人生がある」ことを想像することはできるものだ。
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舞台がドイツだから、ということで、年が2倍も離れた日本人の女性が貸してくださった。 正直なところ、自分が今現在ドイツにいようがいまいが、そんなことはこの漫画の世界を享受するにおいて、さして重要なことではないと思った。 ただひたすらに、表現されている人間に夢中になった。 主人公...
舞台がドイツだから、ということで、年が2倍も離れた日本人の女性が貸してくださった。 正直なところ、自分が今現在ドイツにいようがいまいが、そんなことはこの漫画の世界を享受するにおいて、さして重要なことではないと思った。 ただひたすらに、表現されている人間に夢中になった。 主人公に同化するわけでもなく、かといって分析するわけでもなく、 音楽大学、ロシアの革命を背景に繰り広げられる、池田理代子氏の世界をただただむさぼるように味わった。 読み終わったとき、「あぁ、この世界をもう一度、初めて訪れる感覚とともに訪れてみたい」という思いがした。 一度目に読むその感覚、が忘れられないシリーズだ。 ちなみに、私はベルバラ世代でもなく、少女マンガの熱烈ファンというわけでもないので、 この漫画の恋愛的要素にはあまり関心がなく、貸してくださった女性に「泣いたでしょう?」と聞かれたとき、 なんと答えたものか困った。 私の正直な感想としては、この作品の世界がずっと続いてほしい、といったところだろうか。 完結、涙、という過程を歩ませない、もっと、もっと読みたい、そういう欲求を呼び起こす作品だと思う。
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