DEARさくらんぼ姫 の商品レビュー

芳成かなこ(著者)

2023/06/09

3作品が収録されています。
表題作の『DEARさくらんぼ姫』は16歳の主人公の沙里が小学校の友達の芙由ちゃんの事を語るところから始まる。沙里にとってのお姫様だった芙由ちゃんとは、いつ頃からか約束してたはずの文通が途切れてしまっていた。そんな時に当時のクラスメートの男子から電話でクラス会へ誘われて行くのだけど、芙由ちゃんも電話の男子も姿はなく…実は重たいテーマが乗っかってくるのですが、少なからず経験のある女の子がいるのでは…と思いながら読みました。
『乙女の祈り』は、仲良し3人の高校2年の女子の恋が絡むことで生まれる苦しい隙間が少なからず、似たようなやり取りを経験した人なら胸がキュッとなりますが芳成かなこさんは優しいエンドを用意してくれています。
『ハッシャバイ』は、男の子が何かを掴んで校内で隠れてる場面から始まる。
高校生の主人公千尋が割引券を配るバイトをしてるところに中学生くらいの男子が絡んできてバイトはおじゃんになり、男子は消える。この展開の続きもなかなかにキュッとなる展開が待っています。
でも、安心してください。ちゃんと救われます。