商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 三修社 |
発売年月日 | 2009/11/20 |
JAN | 9784384042764 |
- 書籍
- 書籍
狙われたキツネ 新装版
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
狙われたキツネ 新装版
¥2,090
在庫あり
商品レビュー
3.7
4件のお客様レビュー
2009年ノーベル文学賞受賞作家の作品。最後の一文「ただ古いコートが新しいコートに変わっただけなのだ。」にすべてが語られる。器は変わっても中身のすべてが変わることは難しい。日本の現状もしかり。
Posted by
些細な仕事上の反目から、秘密警察にマークされることとなった女性。ルーマニア革命以前の、息詰まる市民生活が描かれる。 ありとあらゆる身の回りのものが密告に加担している気配が全編をつつむ。草木や風、川の流れや石畳など、ヘルタ・ミュラーの描写にかかると、すべて不穏に満ちる、その筆力に唸...
些細な仕事上の反目から、秘密警察にマークされることとなった女性。ルーマニア革命以前の、息詰まる市民生活が描かれる。 ありとあらゆる身の回りのものが密告に加担している気配が全編をつつむ。草木や風、川の流れや石畳など、ヘルタ・ミュラーの描写にかかると、すべて不穏に満ちる、その筆力に唸らせられる。 特権階級の横暴と、支配にあたって理を尽くさない搾取の様子も描かれるが、このあたりは不条理を超えて笑いの要素も色濃い。 骨太の一冊。いつ何時、今生きる社会がヘルタ・ミュラーの描く黒い笑いの世界に裏返るか知れない、そんな胸騒ぎを覚える。
Posted by
【新歓企画】ブックリスト:「大学1年生のときに読んでおきたい本たち」 ルーマニア、独裁政権下、監視社会の中、秘密警察に追われ、生きる人々の物語。「見られる」ことの恐怖を、主人公たちが「見る」ものを克明に、おどろおどろしく描写することで示している。とか何とか、どうとでも語れる小説で...
【新歓企画】ブックリスト:「大学1年生のときに読んでおきたい本たち」 ルーマニア、独裁政権下、監視社会の中、秘密警察に追われ、生きる人々の物語。「見られる」ことの恐怖を、主人公たちが「見る」ものを克明に、おどろおどろしく描写することで示している。とか何とか、どうとでも語れる小説ですけど、とにかく凄いのは、文章すべてがどや顔なんですよ。風景描写も、台詞もすべて。普通の人が、小説を書く際に、カッコイイ一文を入れちゃうときの、ほんの恥じらいみたいなものが、全くないのです。だから強い。そしてそのバッキバキにキマった文だけで読ませるのではなく、きちんと質量のある物語も語ってくれる。文体だけじゃない、物語だけじゃない。二つに気を遣って、丁寧に書かれている。こういうの書きたいですよね。あと、読み終わった後に、本当はジョージ・オーウェルの「1984年」をイメージした歌らしいのですが、平沢進の「big brother」を聴くとヘヴン状態になりますよ。【M.K.】
Posted by