恋とか愛とかやさしさなら

一穂ミチ(著者)

• 販売会社／発売会社: 小学館
• 発売年月日: 2024/10/30
• JAN: 9784093867399

商品レビュー

2025/12/25

他人と自分は別物だと分かっていながら彼と付き合うことで自分のことさえも分からなくなる辛さが他人事とは思えず読んでいて若干辛かった

2025/12/23

この物語に、あまり感情移入しなかった。
反面教師的な意味で「きちんと生きなければ」という思いは強くなった。
​いらんことをして、わざわざ自分の人生を面倒にする必要はない。犯罪者というレッテルを貼られた瞬間、それまで対等だった人間関係は崩れ、あらゆる人から見下される立場になる。そのリスクを冒してまで守るべき動機など、果たして存在するのか。
​物語の中では、加害者の過去や背景が語られる。
しかし、そこには終始疑問があった。
「なぜそれをしたか」を理解しようとすることは、本当に必要な工程なのか？
過去が現在を作っているのは事実だが、犯した罪という結果を前にして、そのプロセスにまで寄り添う義務が身内にあるのか？
冷たいようだが、向き合うことの徒労感についても、もっと議論されていい気がする。

2025/12/22

さまざまな心の葛藤の描写が好きでした。
わかりたいけど、わかってあげられない。知ろうと頑張っても理解できない。結局は自分と他人なんだなぁと。人との関わりで、わからないスペースがある前提で、一緒にいられる人とそうじゃない人との関係を見直した感じ。
なぜ盗撮した？その気持ちの方でしか読んでなかったけど、後半の被害者の女の子視点の話が意外な展開で興味深かった。がっかりされた時の顔、親からさえ雑に扱われてきていることに慣れてしまう怖さ、ただの恋愛小説ではなくて、人の感情に静かに訴えるような本だったように思う。