イギリス人の患者 創元文芸文庫

マイケル・オンダーチェ(著者), 土屋政雄(訳者)

• 販売会社／発売会社: 東京創元社
• 発売年月日: 2024/01/19
• JAN: 9784488805036

商品レビュー

2024/11/09

少しの謎解きもあり、出来事・人名に虚実入り交じった内容も面白かった。

この小説のつくりと、患者の「私たちは共有の歴史であり、共有の本だ。どの個人にも所有されない。」という言葉が響き合っているよう。

マドックスに惚れた。

2024/08/23

映画未鑑賞。本屋で購入してみる。確かに詩的で、時間の系列がバラバラで読みにくい、という意味でネット書店とかでレビューを見ていれば、手に取らなかったであろう、と思う。リアル書店に行ってみる醍醐味な気がする。とは言え、難しい。全体的な内容より、イヌの足裏の匂いサイコー！とか、本を読んだおじさんに対するハナの返しとかいう、些細な一文が印象に残る。イギリス人の患者の正体を探るミステリー物かと思っていたから難しく感じるのか？白人の国なら落とされないであろう原爆の話に、砂漠でのあれやこれやのお話。砂漠で無ければ、男女は未知ならぬ恋になど落ちなかったのか。砂漠で水を求めるように、愛を求める男女達のお話など。ん？つまり、これは恋のお話なのか。もっと詩的な人間なら楽しめたのかもしれない、と残念な所もある。最後は印象に残った一文を真似て、終わりたい。
「あなた、この本を読み終わったの？」
「ありがとよ。なんて言いぐさだ。」

2024/06/24

ブッカー賞の一番（？）になったと聞いて，読んでみた。難しかったけど（何回イングリッシュ・ペイシェントのウィキペディアを見たことか），没入感がすごい。話としても面白かった。「原爆投下をラジオで聞いてぶち切れする」はないだろうと思ったけど，解説で言われてるみたいに知識の下地があったらあり得るかなとか，プレスコードは日本だけで外国では詳しくオープンにされてたのかな（むしろ成果を喧伝されてたのかな），と考えると面白かった。映画でバッサリ切られているらしいのもなるほどなという感じ。
映画を見たことがないのは，なんか官能的自伝的な感じで興味もてなかったからな気がするが，原作が先で良かったよナイスな判断だったよ，と思う。ウィレム・デフォーはナイスキャスト！と思うけど（めっちゃ見たい），ジュリエット・ビノシュは違わないか？と思う。