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李琴峰(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2023/11/01
JAN 9784480805140

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商品レビュー

4.2

13件のお客様レビュー

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2024/06/03

読み始めて1ページ目に出てくる「生きている感じがした。その感じにうんざりする。」という一文に何か、グサッときた。 体を持たされることへの嫌悪感、生まれた瞬間から身体に押し付けられた途方もない重さ、決して釣り合わない快と不快、存在するだけで絶えず様々な奉仕を要求してくる身体の底知れ...

読み始めて1ページ目に出てくる「生きている感じがした。その感じにうんざりする。」という一文に何か、グサッときた。 体を持たされることへの嫌悪感、生まれた瞬間から身体に押し付けられた途方もない重さ、決して釣り合わない快と不快、存在するだけで絶えず様々な奉仕を要求してくる身体の底知れない貪欲さ、という現物の感覚はわかるような気がして… その感覚が引き起こす、関わりのある人間への普通に表に出す感情と、裏の感情の描写。とても興味深く、あっという間に読めた。(が、その文字面を咀嚼するために、引き返して何度か読み直したりしながら)

Posted by ブクログ

2024/04/18

凄い...。言葉・身体・存在・行動。それに向けられる悪意。それと葛藤する"人間"を抉る物語でした。ある場面では現実の差別が我が事のように悔しくて涙が出た。ある場面では言葉・身体・存在(例えばSNSアカウントも存在の一つ)・行動への希望を得た。 自分も身体への...

凄い...。言葉・身体・存在・行動。それに向けられる悪意。それと葛藤する"人間"を抉る物語でした。ある場面では現実の差別が我が事のように悔しくて涙が出た。ある場面では言葉・身体・存在(例えばSNSアカウントも存在の一つ)・行動への希望を得た。 自分も身体への違和感や苦痛は子どもの頃から持っているけれど、それとは別に、性暴力に遭って以来後遺症でどんどん身体がままならなくなり、本もゆっくりしか読めなくなってしまった、そんなままならない身体の今ゆっくりでもこの本を読み終えることができて良かった。 ラストに向かう描写の悲哀というか皮肉というか、表現が正しいか解らないが"自分が成仏する"ような感覚を得た。主人公が"言葉の重み"を獲得するに至る場面に震えた。李琴峰さんの小説はどんどん凄い場所に昇っていく(語彙力がなくてすみません)。出会えて良かったし、ぜひ読んでほしい作家さんです。 個人的な身体感覚を一つ話すと、私は心に刺さる小説を読むと生きていることへの確信を得たように身体が内側から震え出して、地面から浮き上がるように魂が軽くなるのを感じる。どんな時も本は光。素敵な小説を読ませてくれてありがとうございます。

Posted by ブクログ

2024/04/02

柳佳夜は会社では佐藤慶子と名乗り、勤めの傍ら 小説を書いている.会社には同性愛者の優香、男の社員で福島亮太らがいる.小説家としてのライバルは山下菜摘(川上冬華)でかなり売れている.慶子はエゴサで自分の名前を他人が語っているのを知り、密かにその人物の特定を試みる.その過程が本書の中...

柳佳夜は会社では佐藤慶子と名乗り、勤めの傍ら 小説を書いている.会社には同性愛者の優香、男の社員で福島亮太らがいる.小説家としてのライバルは山下菜摘(川上冬華)でかなり売れている.慶子はエゴサで自分の名前を他人が語っているのを知り、密かにその人物の特定を試みる.その過程が本書の中で最も楽しめた部分だ.中国系の小池嘉美がその張本人だと判明し、二人がやり取りする場面が面白かった.あまり公表されない小説家の実態が描写されているのが良かった.作者は台湾生まれだが、日本語を駆使できる能力は素晴らしいと感じた.

Posted by ブクログ

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