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野火の夜
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2023/02/20 |
JAN | 9784103521921 |
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商品レビュー
3.4
17件のお客様レビュー
血塗れの5千円札とジャーナリストの死を追う木部美智子シリーズ。敗戦直後の満州の様子がリアルでずっしりと重く過去の史実から抜け出せない。知らずに生きてる薄情さ。そこからの現在の事件への繋がりにハッとする。今の価値観では分からないけど当時の価値観ならと思わされる
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詳細は覚えていないが、読み応えのある小説だった。ジャーナリストの木部美智子が丹念に事実を追っていく展開に目が離せない。愛媛県由良半島を地図で調べ、動画で見てこんな場所があることに驚いた。荒涼とした風景の描写が上手い。たぶん取材でここに行ったのだろう。文庫化されていないため、図書館...
詳細は覚えていないが、読み応えのある小説だった。ジャーナリストの木部美智子が丹念に事実を追っていく展開に目が離せない。愛媛県由良半島を地図で調べ、動画で見てこんな場所があることに驚いた。荒涼とした風景の描写が上手い。たぶん取材でここに行ったのだろう。文庫化されていないため、図書館で借りて読んだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ライター木部美智子シリーズ。 あらすじ 1996年夏、1人の男が札束の入った紙袋を抱えフェリーに乗っている。 そして現在。血まみれの5000円札のニュースが世間を賑わせていた。弁護士桐野のもとにはその札束の持ち主という森本が現れる。しかし森本は数日後に転落死する。フロンティアには事件が明るみになる前に森本の名前を教える匿名の電話があった。気になった木部は四国の南西部にある港町に向かう。そこはかつて真珠の養殖産業で栄えていた。ところが突然アコヤ貝が死んでしまうことが続く。一説にはフグの養殖が近場であり、それにホルマリン液が使われていたからだと言われていた。さらに地元では殺人放火事件が起きていた。地元の名主中野与一の息子、それからアコヤ貝の調査に来ていた海洋学者が殺されたのだった。殺人犯はすぐに分かった。神崎元春という男が首を吊ったのだった。元春の父と与一は太平洋戦争終戦時、2人とも満州にいて命からがら日本に戻ってきたという、絆で結ばれていたのだった。 感想 話が複雑だったな。でも中身が詰まっていて読み進めてしまう。結局、森本の事件は本筋とは関係ない。何だったら今回の殺人事件の真犯人すら本筋から言えば枝葉のようなものだった。やはり印象に残ったのは満州での出来事。人が簡単に命を落としてしまう状況下で、義理?約束?によって広い大陸の中をひたすら与一を探す安治。そのつながりによって殺人の罪をかぶって死んでしまった安治の息子元春。それから血の繋がらない継子なのに元治の息子の面倒を見る芳江も不思議な存在であった。いや、芳江は元春を軽く見て、自殺へ加担してしまったんだったな。何しろこの本に書かれている人たちは、自分ではどうしようもできない環境で密度濃く生きている感じがした。
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