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日本を変えた男! 名護親方のいろは山に登る
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 編集工房東洋企画 |
発売年月日 | 2022/03/31 |
JAN | 9784909647450 |
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日本を変えた男! 名護親方のいろは山に登る
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沖縄の人に、「誇りと自信」を持ってほしいと言う願いを込めた本である。著者は、琉球朝日放送(QAB)の社長だった人で、沖縄の文化に精通している。こう言う切り口の沖縄の紹介もありだなと感心した。 沖縄の人たちが、ウチナーグチが話せなくなっている現状を著者は憂いている。ウチナーグチ...
沖縄の人に、「誇りと自信」を持ってほしいと言う願いを込めた本である。著者は、琉球朝日放送(QAB)の社長だった人で、沖縄の文化に精通している。こう言う切り口の沖縄の紹介もありだなと感心した。 沖縄の人たちが、ウチナーグチが話せなくなっている現状を著者は憂いている。ウチナーグチが廃れた理由は、戦争で多くの沖縄の人が亡くなったことと戦後に「方言撲滅教育」がなされたことに起因している。著者は「自国の言葉を失う民は滅びる」と警鐘を鳴らしている。 名護親方である程順則の『琉球いろは歌』47首を日本語に意訳している。沖縄の琉歌は、サンパチロク、8・8・8・6の音で構成されているウチナーグチを短歌 5・7・5・7・7に読み替えている。 この作業には、膨大な時間と考察が必要だったと思う。流石に、ウチナーグチの琉歌は理解できないが、短歌になると名護親方の言いたいことがこう言うことだったのかと理解できる。著者の蓄積された琉歌への知識が並大抵ではないことが、よくわかる。 程順則(1663年〜1735年)第二尚氏王統の琉球王国の士族。進貢使として数回清国へ赴く。福州留学中に感銘を受けた『六諭衍義』に序と後書を添えて刊行した。薩摩藩の藩主の島津吉貴に『六諭衍義』を献上し、江戸の荻生徂徠と会ったりした。琉球国で最初の公的教育機関となる明倫堂(1714年開設)の創設を建議した。『六諭衍義』は、江戸時代の寺小屋の教科書になった。『六諭』とは、明の洪武帝が1398年に発布した「孝順父母、尊敬長上、和睦郷里、教訓子孫、各安生理、毋作非為(父母に孝順にせよ、長上を尊敬せよ、郷里に和睦せよ、子孫を教訓せよ、各々生理に安んぜよ、非為をなすなかれ)」の六言をさす。なお、これは教育勅語にも影響を与えた。それは、程順徳の功績が大である。日本の精神的な屋台骨を作った人である。 その程順徳の琉歌を読み解くのは、沖縄の基本的な精神を読み解く作業でもある。 47首の中で、著者は「肝(ちむ)」と言う言葉が使われている22首に注目する。肝は、朝ドラマの『ちむどんどん』に使われて、こころ、魂という意味でもある。いろは歌のチムググルオモイを紐解いている。47と22という数字の意味を解明しながら、組歌になっていることで、程順徳の言おうとしていたことをわかりやすく説明する。「平和を信じる心には、無限の力を発揮する」。平和でいる為には「命のやりとりはしない」という想いでもある。伊波普猷などの先人たちの言葉を引用して、「自分たちの運命を自分たちで決めることができない島」であるが故に、自分たちで沖縄の歴史を切り拓こうと呼びかけていると著者はいう。 そして、22首の組歌を読み解いていく。「う」の琉歌を短歌に読んだ句は「惜しむらく 若さ頼りに 父母祖父母 つなぎし命 粗末には しませぬように」という。まさに『六諭衍義』の真髄であり、その後の「命どう宝」につながる。 そして、程順則の琉歌に流れる基層が「恥・誠・美」であり、さらに沖縄では「美・仁・柔」にあることを読み解く。 琉歌の本歌の「なまわらびやていん 白髪被とぅていん 重さ運たさや 肝どぅやゆる」。大切なのはこころなんだという。我肝磨き。自分のこころを磨くことだと進めていく。 先祖代々繋いできた遺伝子、宿分を知り、自分の中に神がある。そういう命を大切にする。 いろは歌は、人生の指南書であり、「人として生きる人生の粋を集めた詠い」だと著者はいう。 ちむどんどんでは、ナンクルナイサ(どうにかなるよという意味)を主人公は言っていたが、ナンクルナイサの前には、マクトゥソーケーという言葉がはいるという。マクトゥソーケーナンクルナイサ(誠のこころで物事に当たっているとどうにかなるよ)。確かに、マクトゥソーケーという言葉が、ないと座りがわるい。 ウチナーグチの大切さを、程順則の琉歌を読み解くことで、理解させる筆力は何大抵ではない。以前、北中城農協組合長は、ウチナーグチで、会議では報告していた。そして北中城農協組合長と一緒にハワイに行ったことがあった。そして、移民されたうちなんちゅーの人たちと一緒に食事会をしたときに、組合長は、「ハワイに本当のウチナーグチが使われている」と驚いたことを間近にみた。確かに、美しいウチナーグチは大切だと思った。著者の、ウチナーグチを再興する取り組みは素敵だ。
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