短篇ベストコレクション 現代の小説(2021) 小学館文庫

宮内悠介(著者), アンソロジー(著者), 芦沢央(著者), 宇佐美まこと(著者), 佐川恭一(著者), 帚木蓬生(著者), 原田マハ(著者), 青柳碧人(著者), 伴名練(著者), 日本文藝家協会(編者)

• 販売会社／発売会社: 小学館
• 発売年月日: 2021/11/05
• JAN: 9784094070866

商品レビュー

2022/02/19

ミステリー、SFの比率が高い。
さすがにいずれも印象深い。
特に印象に残ったのは
『家族写真』
『ミス・ホンビノスの憂鬱』
『三日間の弟子』
『あおぞら』
『ラストラン』
『ジャンク』

『隣の部屋の女』は不気味

2021/11/28

2020年の小説誌などから発表された短篇12作。ミステリーやホラー、SF、芸人小説など扱っている範囲が広く、普段読まない作家やジャンルをまとめて読めるのはアンソロジーの良いところ。原田マハ、伴名練、宮内悠介以外は初読の作家で、伴名練の『白萩家食卓眺望』はSFマガジンで既読だったが、伴名練の書く描写はやはり幻想的でとても美しかった。

詰将棋に隠されたルールが明らかになる芦沢央『ミイラ』、家族写真の裏にある真実を描いた宇佐美まこと『家族写真』、清水裕貴『ミス・ホンビノスの憂鬱』は日常のほのぼの感が良かった。タクシー運転手としての最後の一日を描いた平岡陽明『ラスト・ラン』、時代の流れの中で消え去ろうとするジャンク店の在り方を考えさせられる宮内悠介『ジャンク』も印象的な短篇だった。