翼の翼

朝比奈あすか(著者)

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2021/09/22
• JAN: 9784334914288

商品レビュー

2025/11/17

中学受験の話だが、とても苦しい気持ちになった。
遊びたい盛りの小学生を勉強させ、受験させるのは難しいだろう。
一度乗ってしまったレールを降りるのも難しいと思う。
子を持つ親は、誰でも子どもに幸せになって欲しいと願っている。
親の勝手な願いは子どもを苦しめることもある。
子どものため、良かれと思いやっていることは、本当に子どもためだろうか。
子どもは親の顔色を常に伺っている。
親が喜ぶことをやろうとする。
小さな体で一生懸命に。
子育ては思った通りにいかないのは当たり前。
人と比べるとみんな苦しくなる。
子どもの気持ちを大切に、ありのままを受け入れることが大切だと思った。

2025/11/10

読書の秋。最高の一冊に出会えました。
最初の3、4ページを読んだあたりでもう「この本、好きだわ！」と直感的に感じ、三連休で一気に読みました。

中学受験（今は中受というらしい）に挑む翼くん親子の物語です。
母親目線で話が進行するため、親の立場の方にグッと感情移入してしまいます。
息子のことが何よりも大切で何があっても受け止めるつもりでいるのに、成績が下がると落胆し、怠けた態度を見ると怒りが爆発してしまう。
どんどん感情が制御できなくなっていく様子に対しては、これはやりすぎだろうと思う反面、自分もこんな風にのめり込んでしまうのかも…という怖さがありました。

高校受験や大学受験をする年齢になると、親に反発して自分の意見を押し通すことも可能になってくるでしょうが、小学生のうちは本気で親に逆らうことなど考えつきもしないんだろうと思います。
嘘をついてでも、必死に親の期待に応えようとする翼くんの姿が痛々しかったです。

中受ならではの苦しみや葛藤が非常に丁寧に描かれており、感情を揺さぶられる一冊です。

2025/11/06

中学受験に挑む子を持つ母親の話。
親子の一喜一憂や焦燥感の描写がリアルで、手に汗握りながら一気に読んだ。
両親とも我が子の幸せを何よりも願っているはずなのに、傷つけたり追い詰めたり、親子は難しい。
塾の先生、ママ友、良い人たちに恵まれてて良かった。