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与謝蕪村 「ぎこちない」を芸術にした画家
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東京美術 |
発売年月日 | 2021/03/22 |
JAN | 9784808712037 |
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与謝蕪村
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2件のお客様レビュー
先般、府中市美術館で開催されていた『与謝蕪村』展。2021年3月半ばから5月初旬までの予定だったが、コロナ禍のため、会期途中で終了となった。 本書はその図録なのだが、一般図書として刊行されている。 図録なので、図版が多く収録されているのはもちろんなのだが、解説が大変充実していて、...
先般、府中市美術館で開催されていた『与謝蕪村』展。2021年3月半ばから5月初旬までの予定だったが、コロナ禍のため、会期途中で終了となった。 本書はその図録なのだが、一般図書として刊行されている。 図録なので、図版が多く収録されているのはもちろんなのだが、解説が大変充実していて、見応えだけでなく、読み応えもある。 何より、文面からにじみ出る、執筆者の「蕪村愛」がすごい。 与謝蕪村は、言うまでもなく著名な俳人である。と同時に、文人画・俳画の巨人でもある。 本書では蕪村の絵の魅力を、「ぎこちなさ」というキーワードで紐解いていく。 そう、蕪村の絵は、どこかゆるく、どこかずれていて、どこか頼りない。 それを解説者は「ぎこちない」と表現している。 かといってそれは画家としての蕪村が下手だったというわけではない。技術的にはすごいものをもちながら、「わざと」「味として」、ある意味、計算ずくでやや外した絵を描いていたと見るのである。 うーん、そうなのかなぁ・・・?と思いつつ、何だか不思議と、見れば見るほど味のある絵に見えてくる。 ぎくしゃくした線、デフォルメされた顔、ありえないプロポーション。 そうした「ぎこちなさ」が、見る者に「あれっ」と思わせ、愛らしさや可笑しさを生む。 中国風の絵を描いても、どこか遊びがある。川のほとりに高床式のかわいらしい小屋があって、お殿様のような人が寝そべって書を読んでいたり。福福しい老人が、川面の花びらを掬う童子を眺めていたり。それがどこで、彼らがどんな身分の人なのかよくわからないけれど、ある意味、理想郷なのかもしれない。 表紙のような「かわいい」系の絵もある。ウサギの餅つきのように見えるが、実は老人が麦をついているところらしい。火桶を付喪神になぞらえて、目鼻を付けた絵を描き、夜ごとに一つずつ炭団を食べているという句を添えた自画賛もある。何だかわかったようなわからないような。 墨の線で蕪村が描くお侍は何だかあんまり強そうには見えない。でもまぁそんな「ゆるさ」が魅力なのかもしれない。 何だか頼りない。何だかぎこちない。けれど何だか味がある。 そうした絵を愛した江戸の人々にも何だか興味がわいてくる。
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府中市美術館が現在展示中の蕪村の作品について個々に解説をしたもの。 非常に詳しく分かりやすい。美術鑑賞の一般的な手引としても大いに役立つ。 既に一度観てきたので読んで分かりやすい。 近く、再訪します。
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