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酔象の流儀 朝倉盛衰記 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2020/12/15 |
JAN | 9784065218754 |
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酔象の流儀
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商品レビュー
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先々月、山形の天童に行った際に将棋記念館で将棋の歴史を知り、中将棋に出てくる酔象を知った直後、本作に出会ったので非常に興奮した状況で物語に入った。『麒麟がくる』でも少ししか出てこないが魅力的だった山崎吉家が主人公とあって非常に期待は高かった。 感想は小説としての完成度が高いのは...
先々月、山形の天童に行った際に将棋記念館で将棋の歴史を知り、中将棋に出てくる酔象を知った直後、本作に出会ったので非常に興奮した状況で物語に入った。『麒麟がくる』でも少ししか出てこないが魅力的だった山崎吉家が主人公とあって非常に期待は高かった。 感想は小説としての完成度が高いのは分かるがあまり楽しめなかった、没頭できなかった。原因は2つ。 1つは小説の全体の軸がブレブレに感じられたところ。初めの方、ページが進まなかった理由は戦国時代を舞台としていながらも日常の場面が多く、静かに物語が進んでいったからだった。これは『大友二階崩れ』でも同じ作者の小説の特徴であり、そこにあまり文句はない。ただ後半、景鏡の陰謀や最後の決戦シーンなど「動」のシーンに移っていく。また、語り手も前波や堀江、魚住といった脇役視点で描かれていたものが義景、景鏡、最後には吉家まで描かれていく。この流れに感情が追いつけなかったこと、せめて吉家の視点は省いてほしかった。 もう1つは陰湿で胸糞悪い場面のオンパレードだった点だと思う。ここまで人間のリアルを出せるのはある意味の才能だが、もう一度読み返したくはない。前波吉継というキャラは非常に人間らしく、感情移入しやすいため、却って共感性嫌悪が増殖する。 山崎吉家という人物は非常に小説向きな人物だと思う。能力が高く、負けの経験もない。忠誠心が強く、皆から好かれている。一つ歴史のピースが違えば天下に名が轟いていたかもしれない。次は吉家目線での「悔しさ」を全面に出した小説を読みたい。
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