誇りある金融 バリュー・ベース・バンキングの核心

新田信行(著者), 江上広行(著者)

• 販売会社／発売会社: 近代セールス社
• 発売年月日: 2020/05/01
• JAN: 9784765021784

商品レビュー

2021/01/28

誇りある金融 ~バリュー・ベース・バンキングの核心
著：新田 信行・ 江上 広行

世界には様々な金融がある。バリュー・ベース・バンキングとは、持続可能な社会・経済・環境の発展をもたらすために、「おカネ」という手段を活用していこうという考え方である。つまり、利益ではなく「価値を大切にする金融」であり、これを実践している各国の金融機関は、誇りをもって、自らの仕事に取り組んでいる。

本書の構成は以下の7章から成る。
①持続可能な金融へ、新たな挑戦の始まり
②GABVのミッションとバリュー・ベース・バンキング
③GABV、そしてJPBVで、我々は何を目指すのか
④行動指針としてのGABV６原則
⑤金融機関で働く人たちが、自分の仕事に誇りを持つために
⑥日本にバリュー・ベース・バンキングを
⑦志ある仲間とともに

SDGｓをはじめ、金融を含め多くの業界で今までとは違った価値の提供や目標を抱える企業が増えている。しかし、どの業界、企業にとってもそれは手探りであり成果が見えづらい。

数値ではなかなか見て取れない定性的であったりと、グローバルな観点からの成果が出るのは少し先であることも多い。社会的な役割を蔑ろにした企業としての行動に対して顧客がどう思うかという視点で行動するのではなく、自分たちの行動によってこういう世の中に貢献したいという確固たる意志が必要となる。

生き残るために必死で利益を求めるのではなく、社会的役割を果たし、新しい価値を生む中で利益を出していくという、相反するまではいかないまでも違ったベクトルの二つを違った視点でそろえながらやっていくことが求められる。

今までの経営の延長線上にそれはないかもしれない。
正解が見えない方に急な舵取りをすることは難しい。それを意識しながら、信念を固めながらバランスを取りながら行うという良いとこどりで行う点とぐいっと尖った観点で行う二つの行動軸で対応することが現実的なのかもしれない。

知らないことを知り、少しでも自分事として取り入れながら、考えて行動につなげていきたい。