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坂下あたると、しじょうの宇宙
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2020/02/05 |
JAN | 9784087716931 |
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商品レビュー
3.2
21件のお客様レビュー
人工知能に芸術創作は可能か否か? 本書が発売されたのは2020年2月、初出はそれより8ヶ月遡る2019年6月なので本記録より3年余り以前となる。 この間にも技術は日々進歩を続け、私が把握している範囲でも2019年末の紅白歌合戦において披露された『AI美空ひばり』は賛否両論の物議...
人工知能に芸術創作は可能か否か? 本書が発売されたのは2020年2月、初出はそれより8ヶ月遡る2019年6月なので本記録より3年余り以前となる。 この間にも技術は日々進歩を続け、私が把握している範囲でも2019年末の紅白歌合戦において披露された『AI美空ひばり』は賛否両論の物議を呼び、2020年本書刊行同時期にはAI手塚治虫による漫画作品『ぱいどん』が発表されたり、2022年には画像生成ツールAIの作成した絵が絵画コンクールで1位を獲得し、参加したアーティストらから批判が巻き起こったりした(最も、AIが生成した絵に作者が結構手を入れたものだったそうであるが)ようだ。 では詩、詩作の分野では如何に?という事で青春要素を組み合わせて物語られるのが本小説である。 結論を申せば、そもそも’文学・詩’という題材が難しい上に’紙上に拡がる至上の詩情’はまさに宇宙を掴むような感覚であり私程度の人間には捉え所がなく、作品として問題に対しての賛否を明らかにするものでもなく、青春小説としては瑞々しさとか爽快さに乏しく、一応恋とか友情について描かれているけれども総じて’何となく良かったな’に留まった印象。 AI坂下あたるが書いた詩は、実際にAIが作った詩なのか?それとも町屋先生がAIっぽく書いた詩なのだろうか? むむ、人間が人工知能っぽく振る舞うってどう言う事だ? 題材そのものとしては非常に面白いと思うので、もうちょっと余裕があれば収録されている詩の一篇一篇と向き合ってみたい気もする。 1刷 2022.10.2
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※このレビューにはネタバレを含みます
まあ面白かった。序盤は微妙かもと思っていたが、後半にいくにつれて夢中になっていった感じ。 思ってたのとは違う雰囲気の作品だったがなかなか良かった。 天才であるあたるもAIには敵わないのなんだか興奮するし、そのAIが成長したのは毅のせいっていうのもなんだか……良いな。 あたるを羨むのもあたるを挫折させたAIを作ったのも、あたるの唯一の友人も全部毅なのかぁ。 言っちゃえばこれは天才と凡人の話でもあるんだが、その凡人が天才のスランプを救うのがすごく良いな。毅は凡人だけど、天才である坂下あたるにとっては唯一の最高の詩人なんだよな。この関係性は本当に面白い。この二人の関係はきってもきれないのだろう。 色々あるけどやっぱり友人なんだよな。 馴れ合いとかでなく、本当に友人なんだろう。 それでいてなぜか読み口が青春なので、良い。 高校生の描写に首をかしげる部分もまああったが、全体的な感情の動きと二人の交流が完全に青春のそれなのでOKです。 しかし、文学をやる高校生が読みたい人もAIが書く小説とはみたいなのを読みたい人も、ちょっと期待が外れちゃうんじゃなかろうか。いまいちジャンル分けしづらい小説だったな。私のような素人には現代詩はよくわからんし。 まあでも、悪くはなかったね。私に向いてなかったってだけで良い小説ではあると思う。
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読書開始日:2022年3月28日 読書終了日:2022年4月5日 所感 地に足つかない人間関係。 これは作中あたるの「愛に対する見解=とりあげた詩」が体現されている。 互いが互いを見つめ合いすぎる、なにかが介在することを許さない、日本的な愛がこの作品には存在しない。 子は鎹とはよ...
読書開始日:2022年3月28日 読書終了日:2022年4月5日 所感 地に足つかない人間関係。 これは作中あたるの「愛に対する見解=とりあげた詩」が体現されている。 互いが互いを見つめ合いすぎる、なにかが介在することを許さない、日本的な愛がこの作品には存在しない。 子は鎹とはよく言ったもの。 あたると世界の鎹を、あたるは文学にしていた。 AIの出現により、AIがあたるにとってかわる。 あたるが文学=鎹そのものと化す。 それをあたるの言外である毅の詩=AIに無いあたるが、AIをぶち壊した。 青春を感じたけど、文学や詩について、まだまだ知らなければならないことがあるなと思った。 どんな関係にも鎹は必要だと思えたことが1番の収穫。 現代詩…ハイレベルすぎる…作中ほぼ全てわからなかった。 詩作とは陶酔から生まれる 俺の嫉妬がささやかに舞いあがり 吐けば醜い そらが冷たければ、しろく凍るはずのもの 胸のうちでこもって肺がかたまっていた 好きな女の子の栄養になるものを創作するなんて、芸術にも勝る喜び 道徳を超えたかわいさ 人生は不条理 夢はすごい、感情が現実の何倍になる。その点現実は冷めてる 坂下あたるは、愛を三角形に見る。神を頂点、愛する者たちが底辺を結ぶ。西洋的思想。日本的思想は点と点を直線で結ぶ共依存ゆえの歪みが起こる気がするという主張を持つ。 神=文学 あたるは結論、自分が自分をやめられないのが辛い。依存により、自分をコントロールできないのが辛い。文学が頂点にあれば文学に束の間旅立ち現実を愛せる。 衝撃に表現が追いつかない 田舎の用水路みたいに浅すぎる思考回路ではない 甘える、甘えられるの構図はどちらが正解ではない。単に自分の主観がすごい時なだけ お前の裁量で展開できる語彙がある 暇の潰しかたにそのひとの切実さが現れる 殺されたことを栄養に生まれ変わる文学 文学は殺意すら喜び スペクタクルはあまりにも簡単で メランコリック 詳らか 逃げの一手に俄然集中してみたい 1秒幼いおれ
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