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平成精神史 天皇・災害・ナショナリズム 幻冬舎新書525
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 幻冬舎 |
発売年月日 | 2018/11/30 |
JAN | 9784344985261 |
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平成精神史
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商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
なんか年始から読み始めております。 片山氏は博学ですよね。実に面白い御仁を見つけた感じです 少しばかり、読書の切れ目で困っていましたが、 何気なく手にとって読み始めました。
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著者のことは知らないが手にとってみた本。平成を様々な視点から、話し言葉で書かれている。守備範囲が広く、博識なお方だ。たまに皮肉も入り口調がキモくなるのだが、それは片山節、というものだろうか。日本人のニヒリズムは他の本でも言われていることだが、納得させられるというか再認識というか。シンゴジラのパートでは氏の古典芸能への造詣も感じられ、なるほどというところ。 色々な問題提起が出てくるが、もはやこの国民性にこの流れ、窮地に立つとこまでいかないとどうしようもないよね、という本音なのか感想なのか、そうしたものを感じるような。 坂口安吾の堕落論に通ずるような。
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片山杜秀氏が相変わらずの切れ味を発揮。 良質で安価な労働力を際限なく求める資本主義と、そこに国民を参加させるための仕掛けとしての民主主義は足並みをそろえてきた。という論。 グローバリズムと国民国家は対立する、という論調を片山氏は採っていない。 でも、もうわが国(というか世界ど...
片山杜秀氏が相変わらずの切れ味を発揮。 良質で安価な労働力を際限なく求める資本主義と、そこに国民を参加させるための仕掛けとしての民主主義は足並みをそろえてきた。という論。 グローバリズムと国民国家は対立する、という論調を片山氏は採っていない。 でも、もうわが国(というか世界どこでも)、国家は成長の実感も福祉も国民に提供できない。ナショナリズムという幻想で国家を維持する運動が強まるのは必然。 そしてその背景に流れる、絶え間ない天災と虚無感、ネット社会の進行で進む視野の(拡大ではなく)狭窄、AIによる人間労働の代替の予感。 そんな中、国家が壮大なフィクションに向かう今の流れに強い危機感を抱かれているのが、自らの意思で平成を終わらせた今上天皇。 後段のAI論など、著者のほかの本とくらべても随分ある意味情緒的というか、むき出しの危機感。 資本論が読まれなくなって労働者は自分を守るすべを失った、という主張と、民主主義の守り神としての天皇陛下への敬意を矛盾なく両立させる片山氏は、イデオロギーを軽々と乗り越えて、それでも暗い予感に充ちた時代に一筋の光を招き入れているかのようだ。
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