下町ロケット ヤタガラス

池井戸潤(著者)

• 販売会社／発売会社: 小学館
• 発売年月日: 2018/09/28
• JAN: 9784093865234

商品レビュー

2024/03/20

「下請代金の減額」、「買い叩き」などあまりにも露骨な帝国重工の下請法違反、ギアゴーストの不完全な技術、その両社を佃製作所が救う。終盤、財前からの「世の中のために、救えるものがあれば手を差しのべる」というライバル会社を救うことにつながる決裁伺いに対し、藤間社長から意見を求められた水原本部長の「こんなことには私は反対ですが、財前が是非にというので、魔が差しました」には気持ちよく笑うことができた。

2023/10/15

本作は、佃製作所の新たな挑戦を描いた物語です。
佃製作所は、宇宙ロケットの技術開発で培った技術を活かし、農業用トラクターの無人化を目指します。そのために必要なのが、衛星測位システムを利用した自動運転技術です。帝国重工の財前道生とタッグを組み、準天頂衛星「ヤタガラス」を活用した自動運転技術の開発に着手する。しかし、いつも通り、帝国重工内部での権力争いや、ライバル企業の妨害など、さまざまな困難が立ちはだかります。
それでも、佃製作所は技術力を信じ、仲間を信じて、開発を進めていきます。そして、ついに無人トラクターの開発に成功し、日本の農業を大きく変えていくのです。
ただ、本作では相手がいつもの大企業ではなく、中小企業だというのも熱いポイントの一つです。

2023/09/24

『下町ロケット　ゴースト』に続く佃製作所の物語。
ストーリー展開は、佃品質ならぬ池井戸潤品質で、楽しく読み進められた。
本作で扱われている無人農業ロボットは、実際にこれから登場するであろう製品で、そういった意味でも興味深い。