- 中古
- 書籍
- 文庫
死を悼む動物たち 草思社文庫
定価 ¥1,078
220円 定価より858円(79%)おトク
獲得ポイント2P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 草思社 |
発売年月日 | 2018/02/05 |
JAN | 9784794223197 |
- 書籍
- 文庫
死を悼む動物たち
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
死を悼む動物たち
¥220
在庫なし
商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
動物たちは、少なくとも哺乳類は、心を持ち、感情を持っているとぼくは思っている。もちろん人間とは違うけれど、質的な違いでなく量的な違いだ。動物行動学では動物の擬人化はご法度らしいけれど、どうしてなんだかいまいちピンとこない。遠いとはいえ遡れば共通の祖先を持ち、同じ地球で同じ空気を吸...
動物たちは、少なくとも哺乳類は、心を持ち、感情を持っているとぼくは思っている。もちろん人間とは違うけれど、質的な違いでなく量的な違いだ。動物行動学では動物の擬人化はご法度らしいけれど、どうしてなんだかいまいちピンとこない。遠いとはいえ遡れば共通の祖先を持ち、同じ地球で同じ空気を吸って生きている動物たちと、共通点がないと思うほうが不自然だ。今どきデカルトの動物機械論を信奉しているわけでもあるまいに。 だから動物同士の愛情や友情については、本書の豊富な事例は素直に受け取れる。そして愛情や友情を育んだ相手との別れを悲しむ気持ちも当然あるのだろうと思う。動物たちは葬式をすることこそないけれど、家族や相棒との永遠の別離を「悼む」のだ。
Posted by
バーバラ・J・キング(1956年~)氏は、米ダグラス・カレッジ卒、オクラホマ大学で博士号取得、ウィリアム・アンド・メアリー大学名誉教授。アフリカ、アメリカの各地でサルや大型類人猿の研究・観察を行い、その研究結果は、米国内をはじめ様々なメディアで紹介されている。 本書は、2013年...
バーバラ・J・キング(1956年~)氏は、米ダグラス・カレッジ卒、オクラホマ大学で博士号取得、ウィリアム・アンド・メアリー大学名誉教授。アフリカ、アメリカの各地でサルや大型類人猿の研究・観察を行い、その研究結果は、米国内をはじめ様々なメディアで紹介されている。 本書は、2013年に発表された『HOW ANIMALS GRIEVE』の全訳で、2018年に出版された。 内容は、自然人類学者である著者が、少なからぬ動物たちが家族や仲間を愛し、その死を嘆き悲しんでいると考えるに至った、彼らが家族や仲間の死を目の当たりにしたときに見せた姿・行動を綴ったものである。 著者は、原書刊行後の論文で、「母イルカは、死んだ子どもを本当に悲しんでいるのだろうか。十年前のわたしなら“ノー”と言っていたはずだ。動物の認知と情動を研究する自然人類学の研究者のひとりとしては、母イルカの行動には胸が痛むと認めても、子どもの死を悼んでいると解釈することには抵抗していたにちがいない。動物行動学の学者の多くがそうであるように、わたしもこれらの反応については“他者の死に対する変化行動”といった中立を担保する言葉で記述するようにしこまれてきた」と書いているのだが、こうした著者の考えに変化を促したのが、本書の執筆のために費やされた二年間だったのだという。 確かに本書には、猫、犬、馬・ヤギ、ウサギ、ゾウ、サル、チンパンジー、コウノトリ・カラス、イルカ・クジラ・ウミガメなど、様々な動物の驚きに満ちた話が次々に登場し、我が子の死骸を手放さないサルの母親のように、人間の安易な解釈を撥ねつけるような例や、人間が想像するよりもはるかに濃密な思いを交わしていると思われるクマの例など、動物にうかがえる豊かで切ない感情生活が紹介されている。 そして、後半では、人類が愛や悲しみを感じ、他者の死を悼み、(集団で)埋葬を行うようになったのは、単なる情緒の反応ではなく、進化の過程で築かれたものだと説いている。 読み終えて、私はどことなくスッキリしない感情が残ったのだが、何故かと考えてみると、それは「悲しむ」、「悼む」という言葉の意味がはっきりしないからである。著者は、「自分にとってかけがえのない仲間と死に別れた動物が、その直後から目に見えて消沈した様子を示していたり、あるいはふだんとは異なる行動におよんでいたりした場合、生き残った側の動物は悲しみに沈んでいる状態にあると言えるだろう」と書いているのだが、その解釈は、人間が(感情移入して)動物を見ているだけで、そうした動物の状態が、人間が理解する「悲しみ」や、死という抽象概念を基にした「悼み」を表しているとは、必ずしも言えないと思われるのである。 ただ、後半で書かれているように、人類が進化の過程のどこかの段階で「悲しみ」や「悼み」という感情を身につけたことは間違いなく、だとすれば、人類に近い動物ほど、人間に近い感情を持っている可能性はもちろん否定はできないだろう。 著者は最後に、本書を通して、「動物の悲嘆という主張と根拠のあいだに横たわるギャップを埋めることに成功」したと語っているのだが、私には、そのチャレンジが成し遂げられたとは思えず、今後も続く多数の研究者の努力により、いつの日か解明されることを期待したい。 (2023年2月了)
Posted by
文字通り 動物たちは仲間の死を悼むのか? ということが本書のテーマ―です。 仲間といっても異種間の交流も含まれます。 著者は人類学者ですが、 様々な研究や観察をもとにしたレポート、 また自らの経験などから 多くの事例を紹介してくれています。 もちろん科学者らしく、 感情移入し...
文字通り 動物たちは仲間の死を悼むのか? ということが本書のテーマ―です。 仲間といっても異種間の交流も含まれます。 著者は人類学者ですが、 様々な研究や観察をもとにしたレポート、 また自らの経験などから 多くの事例を紹介してくれています。 もちろん科学者らしく、 感情移入しないよう、 動物たちの行動を擬人化しないよう、 一定の距離を保ちつつ、 このテーマに取り組んでおられます。 動物たちのことをもっと知れば、 虐待や無益な殺生はなくなるのにと 思わずにいられません。 そもそも有益な殺生など あるはずないのですから。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
Posted by