クラシックの時間ですよ！ ブルー・アイランド先生の音楽教室

青島広志(著者)

• 販売会社／発売会社: 学研プラス
• 発売年月日: 2017/01/01
• JAN: 9784058007082

商品レビュー

2022/01/04

　西洋音楽の歴史を、作曲家を中心に紹介した本。青島先生のかわいい絵で全編が解説されて、文字による解説は本当に少なめなので、ほとんど絵本。CDが付いていて、バッハ、ヴィヴァルディ、モーツァルト、ベートーヴェン、主０ベルト、ショパン、チャイコフスキー、スメタナ、ドヴォルザーク、サン＝サーンスの超有名曲が17曲あり、本の解説とともに楽しめる。
　これだけ手軽に通読できて、西洋音楽史の大まかな全体像を、出来るだけ簡単に、面白く教えてくれる本というのはなかなかないと思う。最初の年表が付いているので全体像は一応これで把握できるし、最後に「これだけはきいておきたい作曲家50人の１曲だけ！」のリストは、音楽初心者にはありがたい。そして何よりも人間味に満ちた作曲家の人柄や人生、そして作品の表すものを知ると、単純に曲を聞くよりは楽しく聞ける。
　一番印象的なのは、スメタナのモルダウ。これをpp.76-7の青島先生の絵と共に聞くと、本当に素敵な曲なんだなと思った。プラハでモルダウの生演奏を聞いた時なんか、あの有名な主題の部分こそ「お～」と思いながら聞くけど、この曲を全然知らなくて、なんか長い曲だなあと思ってるうちに眠気に耐える曲になっていたが、この絵とちょっとした解説のおかげで、色々想像できて面白く聞けた。あとは細かいけど「魔王」の楽譜のとこに書いてある魔王の顔がかわいいな、とか。あとバレエ音楽の大家と言われるフランスのリュリという人は「太い棒で指揮をして、足にけがをして死んでしまいました…」(p.19)ということだそうだ。何だそれ。
　この本を小さい子に読み聞かせしながら曲を聞かしたらクラシックに興味を持つ子どもが出来るかもしれない、と思うような本。音楽を勉強したい人の導入の本として良いと思った。(22/01/04)