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2016/09/18

素敵なストーリーとキャラは魅力なれど清らか過ぎ?

ここ最近は連続して作品集(単行本)の上梓が続いているようで好調との印象もある作者だが、以前のような背徳の憂いを前面に出す作風からキュートな恋愛方面へ舵を切っているのが奏功しているのか、本作もまた心地良い物語と可愛げのあるヒロインを存分に堪能できる全8話(9編)+1である。 ...

ここ最近は連続して作品集(単行本)の上梓が続いているようで好調との印象もある作者だが、以前のような背徳の憂いを前面に出す作風からキュートな恋愛方面へ舵を切っているのが奏功しているのか、本作もまた心地良い物語と可愛げのあるヒロインを存分に堪能できる全8話(9編)+1である。 キリリとして眼鏡も魅力な年上の女上司が可愛くなる【僕だけのメイド上司】に始まり、妹キャラが炸裂する前編と妖艶な母の後編との対比が素敵な【イミテーションファミリー】(前後編)から好対照な2人のバイト仲間が健気に告白してくる【使ってください】へと続くが、内緒の趣味を持つ会社の同僚男女がばったり鉢合わせる【ヲタ充ライフ】はコスプレメイドが被るか。そして、酔いに任せて部下の男に告白しようとする【おねだりテンプテーション】もまたキュートな魅力に溢れている。上質なラヴストーリーと官能が融合した中で美麗な作画との相乗効果も感じるところである。 また、部下の女子社員との秘密はみんなの秘密?という【今夜は中出し残業】ではブラックなオチが利いていたり、途中で止まったエレベーター内で男達に迫られる団地妻の【One for All?】では扉が開いても救われない結末だったりと、執筆時期によるのかもしれないがダークな作品もあってバラエティにも富んでいると言えよう。 訪問販売の品があり得ねーなら枕営業もあり得ねー、かな?という【性ルスレディー】まで、全編を通して髪型や衣装などの変化で女性を多彩に描いているのはさすがなのだが、一部を除けば清らかさすら覚えるヒロイン達の魅力に官能面が押されているような、あるいは18~22頁のボリュームで官能要素に頼らなくても成立しているストーリーの組み立てが良好なるが故に興奮度がややもするとスポイルされているような、そんな悩ましさをも感じてしまうのは贅沢な話でもあろうか。 巻末の描き下し作品【同棲協定】は官能描写の合間に回想を挟むことで全編これ交わっているだけという、頁数の少なさを逆手に取った構成が光る8頁のオマケである。

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