女子大で『源氏物語』を読む 古典を自由に読む方法

木村朗子(著者)

• 販売会社／発売会社: 青土社
• 発売年月日: 2016/01/01
• JAN: 9784791768912

商品レビュー

2019/09/28

新しい源氏本だったので読んでみた。
ほぼ最初の帖で終わってしまうのが物足りない。
「帚木」でページを割きすぎ。
源氏に触れたことのない人への講義ではしょうがないのかもしれないが。
それでもかなり決定的なネタバレが、話の途中でぽろぽろ入るのが気になる。
そこは知らずに読んで驚いてほしいと思うけど、
読まない確率の方が高いのだろうから、
気を引くにはいいのかなあ。なんだかなー。
「レイプ説」を訴える論文があるのに驚いた。
確かに合意ではない面もあっただろうが、
刺激的な言葉で現代の価値観で断罪するような煽り方ってどうなんだ。

2017/02/07

私は大和和紀の「あさきゆめみし」で源氏物語が好きになったのだけど、やはり現代においても源氏物語を好んで読む人がいるのは共感できるところがあるからだろう。この本では、津田塾大学で実際に行われた講義をまとめたもので、非常に分かりやすく、また、女性学に精通している講師だからこそできる現代風の解釈で、とても面白かった。

2016/06/01

津田塾大での源氏物語の講義録。ジェンダー論からのレイプ小説批判や紫の上に注がれた愛情をロリコン趣味とする浅薄な批判を的確な論拠を示しながら穏やかに退け、奥深い源氏の世界の味わい方を豊かな学識で案内してくれます。源氏物語の凄みは、貴族社会や文化の移ろいを見逃さず構成する紫式部の非凡なパースペクティブにあります。前期授業ということで「賢木」で終わっているのがとても残念でした。