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いちべついらい 田村和子さんのこと
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 夏葉社 |
発売年月日 | 2015/05/01 |
JAN | 9784904816141 |
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いちべついらい 田村和子さんのこと
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商品レビュー
4
14件のお客様レビュー
最近、『必要な依存』という言葉を知った。 本書は戦後詩を代表する詩人、田村隆一の妻であり、同時に詩の雑誌『荒地』の同人であった北村太郎の恋人でもあり、人を巻き込む名人でもある田村和子さんの晩年のスケッチ風エッセイ。 著者である橋口幸子さんは当初生活の為に田村家の二階に住み始め...
最近、『必要な依存』という言葉を知った。 本書は戦後詩を代表する詩人、田村隆一の妻であり、同時に詩の雑誌『荒地』の同人であった北村太郎の恋人でもあり、人を巻き込む名人でもある田村和子さんの晩年のスケッチ風エッセイ。 著者である橋口幸子さんは当初生活の為に田村家の二階に住み始める。すぐに和子さんに「巻き込」まれ「友人」「親愛」「絶交」と進む。でもそれが依存なのか依存されてるのか判然としないまま疲弊し、破綻していく。 恋愛の構造にも似ていて苦しい、解決しない。 でも生きるためにはやっぱり『必要な依存』だったのかも、、と思わされる一冊でした。
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彫刻家の父を持つ詩人の妻、その不倫相手も詩人。そして、校正の仕事をする隣人の私と夫。 当時の空気感と一緒に和子さんのあけっぴろげでちょっとへんなひと、という感じが訥々と語られる。 和子さんが夜中に急にオルガン弾いて大声で歌い出したりするけど、「…だから、どこからも苦情がくることはなかった。わたしたちは二階にいたわけだから、突然でいつもびっくりした」ってだけ書いてあって、あ、ほんとにびっくりしただけで受け入れてるんだな、と思って可笑しくなる。 やがてかれらの関係は壊れてぐずぐずになり、和子さんも私も精神を病むようになる、不倫相手も猫も亡くなる、それでもそこにあるはずの愛憎や寂しさ、息苦しさはさらりとかわして、上澄みをすいすいと泳いでいくように思い出が綴られていくのが不思議と心地よい。別に潜ってもいいけど、隠してるのではなく今はただそうしないだけ、という感じが和子さんのお話なのだなと(会ったこともないけど)思う。読み終わると和子さんの輪郭が確かに心に残っていて、知り合いを亡くしたような気持ち。
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やっぱり、こういう昔話みたいなのが読みたい。 夏葉社の本は、本当に昔話みたいで、まぁ昔話なのだが(いや、そこまで昔ではないか)、本の世界の中に入り込んでいくのが楽しい。 カラッとしていて、自分に厳しく気骨のある(あー読んでる最中に思い浮かんでいた形容を忘れてしまった)、そしてた...
やっぱり、こういう昔話みたいなのが読みたい。 夏葉社の本は、本当に昔話みたいで、まぁ昔話なのだが(いや、そこまで昔ではないか)、本の世界の中に入り込んでいくのが楽しい。 カラッとしていて、自分に厳しく気骨のある(あー読んでる最中に思い浮かんでいた形容を忘れてしまった)、そしてたまに人間らしい和子さん、いい意味で昔の人って印象かな。 和子さんのあの感じ、なんとも可愛らしい。 2019.1.30. なんだか不思議な小話。 そっと聴きたいお話。 ぜんぜん知らない方たちの人生を覗き見た感じ。 嫌なところも、いいところも。 2020.11.19.
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