本質を学ぶガロワ理論最短コース

梶原健【著】

• 販売会社／発売会社: 日本評論社
• 発売年月日: 2013/03/18
• JAN: 9784535787018

商品レビュー

2020/10/24

難解と言われるガロワ理論を、最低限の準備としての多項式の基礎的な理論及び初歩の群論から、当時ガロワ自身が辿ったのと同じような筋書きで解説している。
返却期限が来たため肝心の後半2章を駆け足でさらうことになってしまいあまり理解出来ているとは言えないが、細やかな解説だと思う。本文でギャップになっている部分や具体例などは章末問題で扱われている。しかしやはり後半は難しく、議論を追うのに苦労した(それで期限までに読み切れなかったのだが)。現代の代数学はまさにガロワの研究を基に発展したものだが、それらを一度勉強した後にまた本書を読むと、言ってみれば「逆向きの」アプローチな訳だから、面白いかもしれないと思っている。
一つの応用例として紹介されていたのだが、1の7乗根の値が、変換に対して不変な式という概念を用いることで与えられていたのが印象的だった(高校の参考書や問題集含め他の本に書いてあるのをそれまで見たことが無かったので)。

I部　多項式の基礎
1 多項式の因数分解
2 ユークリッドの互除法
3 対称多項式
II部　群の概念
4 入れ換えのなす集合
5 玉から配置の入れ換えへ
Ⅲ部　ガロワ理論に向けて
6 3次、4次、5次方程式
7 ガウスの視点ー単位円周を等分する数
Ⅳ部　ガロワの理論
8 ガロワの視点
9 ガロワの方程式論
10 べき根と方程式の解
11 ガロワ理論
付録A 現代数学の基礎
(集合、写像、環、体)
付録B 整数論からの補足
(環Z[ω]、応用)

2017/01/15

ガロアのアプローチに近い形での解説が中心。したがって数学的な基礎知識は少なくて良いのだろうが、その分複雑で難しい。現代的なアプローチの紹介も後ろにある。