「ずっと、ここで働きたい」と言われる会社 「人ありき」の経営が利益を伸ばす

渡部哲也【著】

• 販売会社／発売会社: 大和出版
• 発売年月日: 2013/02/23
• JAN: 9784804717913

商品レビュー

2015/06/30

社員の幸せを優先する事で、自発的にVCを改善し、顧客の満足度を高め、結果として、利益は自然についてくるという、超素敵な経営のお話です。

私自身、これまでを振り返り、非常に強く感じる事ですが、楽しければ人はより良いものを目指し頑張ると思います。それは、誰かに言われたり、尻を叩かれたりという外的な力では良い仕事はできないなというのが実感である。

経営者・リーダーとして、社員一人一人を見て知って、幸せを考えて、一人一人が能動的に働くような動機づけを行う事が大切で、自分のやったことが役に立ち、評価され、喜んでもらい、感謝される事、これほど嬉しい事は無いし、これが基本的には人間の本質的なモチベーションの源泉なんだと思う。。

その為に、経営者・リーダーは、ビジョンや理念を語り、お客さんの声を聞いたり、社員同士の対話の場等、色々工夫する事が大切なんですな。グロービスで学んだ人材マネジメントの講義内容とまさに一致していて、とても良いロールモデル。

その中でも渡部さんの特筆している点は、障害者を雇用し、彼らの才能を引き出している事だと思う。直接お話も伺ったけど、裏ではものすごい苦労をされたんだと思う。絶妙なバランスで、本人の適性や人間関係等に基づき、配置転換したり、我慢してもらったりというう見極めは、そんな簡単ではない。また、障害者の方に合わせ、出店するお店のスタイルを決め、人員を配置し、それでもペイするようなサービスをつくり出しているという点も、経営者としての力量が問われている。

その他、渡部さんの姿勢やコミュニケーション方法等とても参考になりました。
・まず社員さんたちを信頼し、任せる部分は任せる、意見を尊重する。
・雇用する社員の人生に責任を持つ。
・最初上手く行かなくても気にしない。
・強みやモチベーションに合わせた大胆な配置転換、
・適度な負荷（競争、目標、
・否定するのではなく、具体的なアドバイスをする
・心のフランチャイズ
・相手の声に耳を傾ける。
・一人一人の個性に合わせたオーダーメイド経営

・できない人を切る選択肢をすると、そういう組織だと思われてしまい、安心できなくなってしまう。
・経営者として大切なのは、あなたを見ているよ、常に関心持っていますよというのが伝わること。

・課題解決にフォーカスするのではなく、プラスのイメージ（こんないいことあるよ）を持たせて、モチベーションを高める。
・いきいきと働ける場をつくること。環境によって、人は変わる。
・心のバリアフリー

最後に、個人的に考えさせられたのは、昔みたいにお互いが助け合う社会が良いのか、今のように自分の事は自分でという社会が良いのか考えさせられました。

僕自身、あまり人に助けを求めるの得意じゃないし、逆に、自分でできるだろってことを依頼される事が得意じゃありません。まさに今の社会を象徴しているようです。

頭ではお互いが助け合う社会がよいだろって思うのですが、いまいちストンと落ちない。心がついていかない。

う〜ん、どう考えたら、助けを求められるようになり、逆に求められた助けを自然にサポートしようと思えるんだろ。

う〜ん。う〜ん。う〜ん。う〜ん。