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死の家の記録 光文社古典新訳文庫
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死の家の記録 光文社古典新訳文庫

フョードル・ミハイロヴィチドストエフスキー【著】, 望月哲男【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2013/02/13
JAN 9784334752651

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商品レビュー

4.6

11件のお客様レビュー

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2024/10/08
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※このレビューにはネタバレを含みます

シベリア流刑の具体的な記載を読んだのは初めてだった。どんな場所だったのか、どんな人々が収監されていたのか、どんな生活がそこにあったのか、リアリティをもって知ることができた。 何年もそこから出られないことが決まっている人たちとの極限の共同生活。意外に秩序が保たれていて、仲間としての意識も私の想像以上にあったようだ。かえって囚人同士に任せておいたほうがうまくいくこともあるのだ。 たしかに重大な犯罪を犯した者たちばかりだけれど、彼らを人間として扱うことは最低限必要なことだと思った。それを教えてくれたのはシベリアの民衆だった。 監獄で人間をとことん観察し、自らの経験をもとに考え抜いたからこそ書ける内容だったのかなと思う。特に終盤は大切なことがたくさん書いてある。読んで良かった。

Posted by ブクログ

2024/08/09

新潮文庫の表紙が暗ぼったくて、また不穏なタイトルと相まって敬遠していましたが、全くの誤解。ドストエフスキーの4年間の投獄経験に基づく本作は、大変面白くて興味深い内容でした。 本作は、ロシア生まれの地主貴族である主人公が、妻殺しの第二種流刑懲役囚として10年間の獄中生活を送り、出...

新潮文庫の表紙が暗ぼったくて、また不穏なタイトルと相まって敬遠していましたが、全くの誤解。ドストエフスキーの4年間の投獄経験に基づく本作は、大変面白くて興味深い内容でした。 本作は、ロシア生まれの地主貴族である主人公が、妻殺しの第二種流刑懲役囚として10年間の獄中生活を送り、出獄するまでの囚人たちとの共同生活を通して、驚きや苦痛の断片を書き連ねたルポルタージュです。 当時のロシアの監獄では、足枷こそはめられていますが、大っぴらではないにしろ酒が手に入ったり、タバコが吸えてたりするのが意外でした。それらは、お金がものをいうのですが、やはり手先が器用な人は、どこに身を置いても強いですね。しかしながら、比較的開放感があれど、やはりそこは監獄。お金の使い道も限られているし、何より自由の度合いが柵の外と内では大違い。それだけにラストは感慨深いものがありました。 他に印象に残った場面は、病院で誰かが着たお古の部屋着を与えられたこと。皆で観劇を催して、職人や役者の活躍で連日盛況で、その描写が本当に楽しそうだったこと。風呂の描写が、とにかく汚らしいこと。笞打ち逃れの方便などですね。 あと、文中で時折言及していたのが、才能と人生を長い刑期で棒に振ってしまうことの無益さについて。これは、著者自身が刑期中に何も作品を残せなかったことへの自省や、新しい作家たちの登場による焦りの気持ちを抱いた経験からきたものかもしれない。そんな著者の獄中経験は、本作や後の『罪と罰』のラスコーリニコフの人物像に充分活かされていると思いました。 追記: 笞打ちに関しては、この本より100年前に書かれた、ジャン・マルテーユ『ガレー船徒刑囚の回想』(岩波文庫)に詳しいですが、何故か絶版。名著なんですけどね…残念。

Posted by ブクログ

2024/03/05

著者、ドストエフスキー、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー、1821年11月11日〔ユリウス暦10月30日〕 - 1881年2月9日〔ユリウス暦1月28日〕)は、ロシア帝国の小説...

著者、ドストエフスキー、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー、1821年11月11日〔ユリウス暦10月30日〕 - 1881年2月9日〔ユリウス暦1月28日〕)は、ロシア帝国の小説家・思想家である。レフ・トルストイ、イワン・ツルゲーネフと並び、19世紀後半のロシア小説を代表する文豪である。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 恐怖と苦痛、絶望と狂気、そしてユーモア。囚人たちの驚くべき行動と心理、そしてその人間模様を圧倒的な筆力で描いたドストエフスキー文学の特異な傑作が、明晰な新訳で今、鮮烈に蘇る。本書はドストエフスキー自らの体験をもとにした“獄中記”であり、『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』など後期作品の原点でもある。 ---引用終了 そして、本作の書き出しは、次のとおり。 ---引用開始  シベリアの遠い果て、草原か山か人も通わぬ森林ばかりのところに、ぽつりぽつりと小さな町がある。人口は千かせいぜい二千、木造のぱっとしない家が立ち並び、教会は町の中に一つと墓地に一つの二つだけ。町というよりはむしろ、モスクワ郊外のちょっと気のきいた村といった風情である。 ---引用終了 ウィキペディアによると、著者は、空想社会主義サークルのサークル員になった為、1849年に逮捕されて、死刑判決を受けたが、特赦により、シベリア流刑に減刑されたとのこと。で、1854年までオムスクで服役したそうだ。 つまり、28歳頃に逮捕されて、その後、33歳位まで、シベリア流刑になっていたようだ。

Posted by ブクログ