商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
不倫を題材にした官能とサスペンス風な謎解き展開
短編集ではなく全9話の物語。 隣同士な3組の夫婦がそれぞれ互い違い的に不倫している設定は面白い。しかも、弱みを握られて虐げられていたり、かつての恋仲が再会した果てにだったり、年上お姉さん的に若い男を包み込んだりと、バラエティにも富んだ妙味が散りばめられ、これにより官能成分も...
短編集ではなく全9話の物語。 隣同士な3組の夫婦がそれぞれ互い違い的に不倫している設定は面白い。しかも、弱みを握られて虐げられていたり、かつての恋仲が再会した果てにだったり、年上お姉さん的に若い男を包み込んだりと、バラエティにも富んだ妙味が散りばめられ、これにより官能成分も高まっている。そして、これを覗き風に監視している探偵が主人公となるのだが、前半は傍観者でもある。 この3組の不倫関係からサスペンス風味な展開となる後半で作品の毛色が変わっていき、メイン格の人妻がヒロインとして浮上してもくるのだが、ここでも主人公は(いろいろと背後で動いているものの)やはり傍観者である。 「第4の女性」の登場により全体が引っ掻き回される中で、最終的にはどんでん返し的な結末を迎えるという2段階のストーリー展開は、秘め事的情交がさらに増えるという官能面を含めても良く出来ているとは思うのだが、この展開と結末にもっていくために少々の無理を感じる部分もあり、妻に隠れて不倫を繰り返していた夫が最後は何だか善い人になってしまっているような心理的な矛盾も感じた。最後まで傍観者な姿勢を貫く主人公もまた然り。その役は自分が買って出ればいいのでは?というシンプルな疑問も沸く。 元より肉欲的な女性描写能力の高い作者が、官能ありきではなく物語もしっかり盛り込もうという姿勢で本作に挑んだことは大変好ましく、今後はさらにストーリーを練って、この路線を継続していただきたいと個人的には思う。
DSK
なかなか凝った仕組みの作品なんだけど、じゃあそれが面白さにつながっているかといえばそうでもなく、むしろエロがやりたいのかストーリーものがやりたいのか中途半端な印象になってしまった気がして微妙だった。
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