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施設で育った子どもたちの語り
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 明石書店 |
発売年月日 | 2012/06/30 |
JAN | 9784750336145 |
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商品レビュー
4
5件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
施設で育って大人になった方たちが、今までの苦労や これからの希望を綴ってくれている本。 きれいごとかもしれないけど、社会的養護について もっと世間に広く知られて理解されたら 施設で暮らす子どもたちの気持ちや生き方が 楽になるのではと思った。
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夏休みの宿題の読書感想文をまとめて読んだ気分。もちろん嘘ではないが、本音というわけでもなさそうだ。彼らのむき出しの経験や思いは、自分で文章にはしにくいのだろう。それをするには、よほどの覚悟と書く力が必要に違いない。
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タイトル通り、児童福祉施設など社会的養護によって育ち成人した21人の当事者による、彼らの生い立ちの語りである。 みな現在は、その苦境を乗り越え、それぞれ結婚したり職を得たりして社会人として立派に生計を立てている方たちばかりで、ほとんどが、施設職員など福祉関連に身を置いているという...
タイトル通り、児童福祉施設など社会的養護によって育ち成人した21人の当事者による、彼らの生い立ちの語りである。 みな現在は、その苦境を乗り越え、それぞれ結婚したり職を得たりして社会人として立派に生計を立てている方たちばかりで、ほとんどが、施設職員など福祉関連に身を置いているというのも、やはりという気がする。 社会での居場所が確立されていればこそ、このような本の編集に協力できたとも言えるのだろうが。 当事者たちの声を聞くと、身体的にも精神的にももちろんネグレクトでも、明らかな虐待行為が親によってなされているのだが、当人たちは当時、それを虐待とすら認識できていなかったことが改めてよくわかる。 それほど、家庭の中での子どもの立場というのが、絶対的に弱いものであるということだ。その弱い立場の者が、絶対的庇護者が壁になって(もしくは庇護なく社会に放り出されて)、その存在すら社会に認めてもらえず必要な庇護が受けられないとしたら、それはそのまま命の終わりをも意味する。 少なくとも、ここに登場した21人は壮絶な子ども時代を過ごしたとはいえ、それなりの時期に大人に守られ、その先の道筋をつけてもらえた分だけまだマシだったとも言えるのかもしれない。 そういう転機となるタイミングに然るべき救いの手が差し伸べられなかった人物もきっといるに違いない。だからこそ、現在は社会での居場所を得た彼らが、少しでも救われる子どもが増えるように、社会的養護が受けられるように、社会の仕組みと人々の意識が変わるように、自らの過去を語るという辛い作業を厭わず買って出たのだろう。 文章の巧拙どうこうではなく、当事者の言葉には深い深い重みを感じずにはいられなかった。 巻末には、9つの社会的養護の推進団体が紹介されており、活動を知る参考になる。また関連する基本的な用語の解説もまとめて掲載されているので、大まかなことを知りたい向きには役に立ちそう。
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